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おことわり
車載冷蔵庫の庫内温度は周囲の環境(気温、湿度など)に大きく左右されますので、本テストでの結果が再現できる保証はありません。特に夏場は車内の温度の上昇によって車載冷蔵庫の冷却能力は著しく低下するとされています。
また、本テストの設定ではコンプレッサーがほぼ連続作動状態になりますので、車載冷蔵庫の作動には十分な電力の供給も必須となります。
よって、本テストを参考にされる場合、上記2点にくれぐれもご注意ください。
正月は肉が高い
正月の里帰りの際、年末に帰省先で肉を調達すると正月価格で高いので、安い時期に購入した肉を冷凍して持参することにしました。
例によってエンゲルポータブル冷蔵庫MD14F-Dの登場です。
今までは、温度調整スイッチを目盛り1か2で使っていましたが、今回は初めて最強の5で使います。さて、その冷え方やいかに。
冷え具合をリアルタイムでチェック
ここで登場するのが、先日の記事でご紹介したシチズンコードレス温度計。こいつの子機をエンゲルポータブル冷蔵庫に入れて、その冷え具合をリアルタイムでチェックしてみます。
これが子機ですね。
これをエンゲルポータブル冷蔵庫の庫内に入れます。このとき、庫内は常温で、何も入っていません。
そして、エンゲルポータブル冷蔵庫のスイッチを入れ、ダイヤルを最強の5に設定します。
冷蔵庫のスイッチを入れた直後のシチズンコードレス温度計親機の表示です。
左下の9.3℃がエンゲルポータブル冷蔵庫の中の温度、左上の19.9℃が暖房の入った自宅室内の温度です。
(なお、写真の矢印は、わたしが写真に上書きしたもので、商品に描かれているわけではありません)
そして、これがスイッチを入れてから約35分経過後。すでに-9.0℃。庫内には何も入っていないため、冷えるのがとても速いですね。
こちらはスイッチを入れてから約50分経過後。-12.1℃と、順調に冷えています。
スイッチを入れてから約75分経過後。
スイッチを入れてから約140分経過後。仕様上の冷却温度、-18℃を下回りました。
肉を投入する
庫内温度は-19.6℃と、すでに十分冷えましたので、この直後、19:00頃に自宅の冷蔵庫の冷凍室で凍らせてある肉をエンゲルポータブル冷蔵庫に投入します。肉のパックを6つほど入れましたので、全部で4キロくらいでしょうか。
そして、肉と一緒に温湿度データロガーRC-4HCを庫内に納めます。
この後、19:30頃に自宅を出発。途中、SAで二泊したので、冷凍肉を取り出したのは翌々日の16:40頃になりました。従って、40時間以上この、エンゲルポータブル冷蔵庫で冷凍肉を保管していたのですが、その間の温度変化はどうなっているでしょうか。
庫内温度の変化は?
温湿度データロガーRC-4HCで測定したデータは下記グラフの通りです。
縦軸が庫内温度、横軸が経過時間で、時間軸の一目盛りが6時間です。
冷凍肉と一緒にエンゲルポータブル冷蔵庫に投入した直後は、-7.7℃。そのあと庫内温度は若干上昇します。その後は、車内温度が上がる昼に庫内温度も上昇し、車内温度が下がる夜間には下降、という変化を繰り返しています。
このときのおおよその車内の温度は、昼は20℃前後、夜間は5℃前後でしたので、今回についてはおおよそ外気温の上昇分だけ庫内温度が上昇しています。
全行程を通じてのエンゲルポータブル冷蔵庫庫内最高温度は-3.5℃で、翌々日の夕方に肉を取り出したときもカチカチに凍っていました。
また、解凍時に色、臭いなどを確認しましたが特に問題は無く、肉のせいでおなかをこわすこともありませんでした。
ということで、仕様通りの-18℃に達するには設置場所を選ばなくてはなりませんが、車載も可能なポータブル冷蔵庫としては、実に見事な性能を持っていると言えます。
この間の消費電力は?
エンゲルポータブル冷蔵庫は、電源を入れてから翌々日にスイッチを切るまでコンプレッサーがほぼ回りっぱなしだったと思います。仕様書によると定格消費電力は34Wですので、今回の場合、計算上の消費電力は、ずっと34Wを消費し続けたと仮定すれば、
34W×約41時間=1394Wh となります。
一方、わたしが使っているディープサイクルバッテリー1個あたりのエネルギー量は1260Wh。このうち7割が取り出せるとすると、一個あたりの使用可能エネルギーは882Wh。
よって、ほぼバッテリー1.5個分のエネルギーを消費したことになります。
以上、読んでくださり、ありがとうございます。
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