目次
リン酸リチウムイオン電池とは?
アマゾンのvineプログラムで出品されていたRenogyのリン酸リチウムイオン電池を入手しました。
リン酸リチウムイオン電池は、普通のリチウムイオン電池に比べて発火、爆発の危険性が少ないと言われており、また、鉛蓄電池のように水素ガスが発生することもありません。そのため、最近は高級なキャンピングカーのサブバッテリーにも採用されつつあります。
ネックはその価格。ディープサイクルバッテリーとほぼ同じ100AHレベルの容量になると、10万円前後になります。
その特徴をざっと、下記の表にまとめてみました。(にわか知識で作っているので、間違いがあったらご容赦を)
高価ではありますが使い勝手は抜群です。
- 大電流が流せるので、100AHのバッテリー1個で1000Wの電気器具が使える
- 寿命に達するまでの充放電回数がディープサイクルバッテリーの10倍以上
- 容量の90%くらいまで放電可能
バッテリーの寿命を考えるとコスパが良いのは間違いありません。しかし、ディープサイクルバッテリーでも数年は使えるのでリン酸リチウムイオン電池がその十倍使えるとしても実際に寿命まで使い切るのは難しそうです。
バッテリーに合わせて周辺機器を発注
バッテリーはこちら
100AHスマートバッテリー。私が入手した7月には10万5千円ほどでしたが、ちょっと下がってきました。Renogy製の場合、普通のリン酸リチウムイオン電池の寿命が充放電2000回なのに対してスマートバッテリーは更に長寿命で、充放電が4000回までOKとのこと。これを使うには充電器とインバーターも必要ですので、探してみました。
充電器
バッテリーのスペックをRenogyのホームページで調べると、充電電圧は14.4V±0.2V とあり、ディープサイクルバッテリーと比べると高めです。
リン酸リチウムイオン電池は需要が少ないので、充電器も今のところはあまり選択肢がありません。
まずはバッテリーと同じRenogyが販売している充電器。(昨日はあったのに、今日-2020/11/25-見るとこの充電器が姿を消していました。新製品に切り替わるのでしょうか?)
出力20Aですので、100AHのバッテリーなら5時間くらいで充電が終わる計算です。
他にもないかとアマゾンで検索したのですが、何も出てきません。
もう一つ、以前にもご紹介したソーラーパネルやチャージコントローラーを専門に扱っている蓄電システム.comで様々な種類を販売しています。20Aクラスで1万5千円くらいですので、上記のRenogyの製品と同じくらいの価格です。ここはショップがきちんと品質確認をしていますので安心です。
安心でなくて良いからもっと安く買いたい、という向きには以前の記事でご紹介したDCDCコンバーターを買ったアリババがおすすめです。
検索窓に lifepo4 charger 20A と入れるとたくさん出てきます。
下記は私が購入したものとほぼ同じものです。(ショップも同じ)
アリババはすぐにリンク切れになるのでリンクは省略します。
14.6V/20Aでたったの45ドル。配送のオプションは下記の通り。以前は送料無料でしたが、最近はコロナの影響で航空便が減少しているためコストアップしたようです。一番安いSeller’s Shipping Methodですと5ドルちょいですがトラッキングがないのは辛いので、もう一ドル出してAliExpress Standard Shipping がお勧めです。何回か使った限りでは、速くて2週間、長いと一ヶ月くらいかかりました。(着かなかったことはありません)トラッキングも発送後10日くらいは表示されませんので心配な方は国内で購入するのが無難です。
なお、コンセントプラグは各種選べるのですが、日本のものを用意していないショップも多いのでその場合はアメリカと同じ、(ただしアース用の差し込みなし)にしてもらえばOKです。チャットの画面に写真を貼り付けて説明したら正しいものが送られてきました。
なお、蓄電システム.comでもアリババでも充電電圧はセルの数に応じて各種売られていますので、購入した電池の充電電圧に合ったものを購入しましょう。(間違えると使えません)
インバーター
リン酸リチウムイオン電池は放電による電圧降下が少ないという長所がありますが、過放電には要注意。なお、RenogyのものはBMS(バッテリーマネージメントシステム)が組み込まれており、放電電圧が10V以下になると自動的に遮断されるので安心です。注意すべきは、Renogy製の場合、放電電流が1C(100AHのバッテリーなら100A、50AHのバッテリーなら50A)を越えるとBMSが破損して使えなくなってしまうという点です。ちなみに、100A以下の電流を流して良い、ということは、おおよそ 13V × 100A = 1300W という、ディープサイクルバッテリーではちょっと考えられないくらいの大電流が流せるということになります。Renogyの製品は直列接続不可ですので要注意。並列は可能なので、出力を増やすなら並列で2個、3個を繋げば計算上は2600W,3900Wの出力が可能ということになります。
なお、放電電圧は公称電圧12.8Vですのでディープサイクルバッテリー用のインバーターがそのまま使えます。 今回は各所で評判が良かったオーストラリアのGIANDEL社の600WACDCインバーターを購入しました。周波数55Hzというのがちょっとひっかかりますが今のところ問題は発生していません。
バッテリーモニター
これも必須です。鉛蓄電池なら電気の残量が減ると電圧も下がるので電圧を測って残量を知ることができますが、リン酸リチウムイオン電池の場合は放電しても電圧が変わりません。また、鉛蓄電池にあるような残量に応じて色が変わる比重計もありませんし、モバイルバッテリーのようにLEDが点灯するわけでもない。つまり、モニターがないと電池の状態がまったく分からないのです。
最初は注文していなかったのですが、充電器を繋ごうとして必要なことに気づき、慌てて発注しました。
スマートバッテリー用と、普通のリン酸リチウムイオン電池用の二種類があります。わたしが購入したモニターはスマートバッテリー専用で、それ以外のリン酸リチウムイオン電池には使用できませんのでご注意を。
バッテリー台
リン酸リチウムイオン電池、インバーター、充電器をまとめて収納する棚をダイソーのジョイントラック棚で作りました。
作った棚に機器を載せるとこんな感じです。バッテリーは小ぶりで軽いので、30センチ×30センチの棚で作りました。また、支柱の長さは39センチ。つまり、棚のサイズは W30cm×D30cm×H39cmということになります。部品代は合計1200円+消費税でした。
組立、テスト
配線
600Wのインバーターに流れる最大電流は、600÷12.8=約47A となります。
必要な電線の太さは、概ね 10Aあたり1mm2 以上とされていますので、余裕を見て8mm2くらいの断面積は欲しいところ。拙宅でストックしている電線は、1.25sqと5.5sq (それぞれ断面積が おおよそ1.25mm2と5.5mm2)だけですので、5.5sqの電線を2本使って配線することにしました。
配線後の状態が下の写真です。棚の上、左がインバーター、右が充電器です。