家族で-10℃極寒北海道にて快適車中泊する6つのコツ

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目次

冬の北海道へ家族旅行

一昨年(2018年)、極寒の北海道でどうすれば快適に眠れるかをテストしました。

今回は冬の家族旅行で北海道へ出かけることにしました。(言い出したのは私ですが、娘も妻も納得の上での実行です。無理に連れ出したわけではありませんよ)
家族旅行で家族を辛い目に合わせるわけにはいかないので、昨年・一昨年の冬の北海道での経験を活かし、(可能な範囲で)準備万端で臨みました。

具体的には、下記の通りです。

  • 昨冬の白川郷で使用した極寒用寝袋を今回も持参
  • ハクキンカイロを人数分用意
  • 電気毛布を用意
  • 電気毛布が長時間使えるように充電能力をアップ(こちらの記事ご参照)
  • エンジンを掛けて車内を温める可能性に備え、燃料タンクの燃料が50リットルを下回らぬようこまめに給油

金のかからない対策ばかりですが、災害避難時の練習も兼ね、簡単にできる対策を積み重ねてなんとか暖を取ろうという目論見です。

前回との違い

前回の記事で実施した防寒対策と比べると、

という点が異なっています。運転の下手な私には車両の斜め後方の視野が遮られる断熱板は危険と判断して昨年から使用を中止、代わりに荷室の窓にはレースのカーテンを使っています。スタイロフォームと比べるとカーテンの断熱性は低いですが、窓が冷えることによる冷気の対流の影響を防いでくれるので、防寒能力はさほど遜色ないと感じています。

これは、カーテンを閉めた状態で後部ハッチ側から前方を見たところ。運転席と荷室の間も含め、カーテンでぐるりと囲んでいます。(なお、この写真は今回の旅行の前に撮影したものです)

車内のカーテンを閉めて冷気の流入を防ぐ

こちらは後部ハッチを開けた状態。カーテンで後部窓からの冷気を遮断します。

後部ハッチにもカーテンを付ける

車中泊時の車内外温度変化

以前の記事同様に、温湿度データロガーを使って車内外の温度を記録し、それをグラフ化しました。今回は、北海道上陸日に苫小牧から近いむかわ町、その翌々日に富良野の隣の美瑛町で車中泊しましたので、その時のデータをご覧頂きます。

道の駅むかわ四季の館

フェリーで苫小牧に到着し、最寄りの道の駅むかわ四季の館で車中泊しました。このあたりは太平洋側なので積雪は少なめでしたが冷え込みは厳しく、午前0時前後に最低車外温マイナス9.7℃を記録しました。また、最低車内温は午前6時過ぎのマイナス3.1℃でした。なお、20時すぎまではフェリーの中にいたので気温はほぼ一定になっています。

これは翌朝のむかわ四季の館です。ご覧の通り雪は少ないです。

むかわ四季の館
温度グラフ

道の駅びえい白金ビルケ

ホテル併設で何となく賑わいを感じるむかわ四季の館と比べるとこの日の美瑛は軽く吹雪いており、道の駅も無人だったため気分的にとても寒く感じられました。しかし、最低車外温マイナス11.1℃と、むかわ四季の館とほぼ同じでした。(実際にはこのあと午前7時頃に向けてさらに車内の気温が下がっていますが、前回の記事では午前6時までの最低気温で比較したので、今回も同じ基準を用いました。)

翌朝の状況。車に雪が積もったのも暖かさに貢献した可能性があります。

びえい白金ビルケ
温度グラフ

前回との違い

前回の測定データを一覧表にしたのがこちらです。この表の日付は2018年です。

気温と寝心地の関係

前回は、この表を下記のようにまとめました。

  • 車内最低温度がマイナス5℃以下になると電気毛布が欲しい (ブルーの網掛け)
  • 車内最低温度がマイナス5℃以上なら、寝袋にハクキンカイロを放り込めばしのげる
  • 断熱パネルがあると、車内温度が車外温度に比べて2~3℃高くなる (無いと、車内温度と車外温度は明け方にはほぼ同じになる)

これに今回の結果をつなげてみます。温度差 a-b が5℃以上を太字にしました。

気温と寝心地の関係

今回は、家族がいるので電気毛布はフル稼働させました。(とはいっても、娘用のエキストラベッドには電気毛布は使用していません)

前回と比べて目を引くのは下記の2点です。

  • 前回と比べると車内外の温度差 a-b が大きい (つまり、車外に対して車内がより暖かい)
  • 断熱パネルを使用していないが、前回と比べるとその影響は小さい

前回に比べて車内が暖かかった理由は?

前回車内にいたのが私一人だったのに対して今回は3人いた、というのがその一番の理由だと思われます。一般的に言われている、一人の人間が出す熱量は100Wが正しいと仮定すると、前回に比べて人が二人増えることで熱量はプラス200Wとなります。電気毛布の定格消費電力が60Wですので、電気毛布3枚分の熱量が加わって車内の温度が上昇したものと思われます。

また、今回はスタイロフォームの断熱パネルをカーテンに変更することで車内温の低下が危惧されましたが、この影響も思いの外小さかったものと思われます。

妻と娘は安眠できたのか?

妻はわたしよりも寒がりで、私と比べると体感温度が5℃くらい低いようです。女性としては標準的でしょうか。また、娘の体感温度はわたしとほぼ同じで、こちらも小学生としては標準的ではないでしょうか。

それぞれに寝心地を確認してみると、

  • 妻は二日とも暖かく眠れた
  • 娘は二日とも少し寒く、目が覚めることもあった(ただし、朝わたしが見たときは、二日ともよく眠っていた)
  • なお、わたしはやや薄めの寝袋(イスカ アルファライト1000)を使ったため、二日とも床に接していない上側がややスースーしました。(眠りを妨げるほどではありませんでしたが)

娘が寒く感じた理由は、恐らく下記の3点であると思われます。

  • 大人用の寝袋に寝たので足先から寝袋の端までの距離が長く、寝袋に入れたハクキンカイロと足先が離れていたため暖かさが感じられなかった
  • 娘は寝相が悪いので、腕などが寝袋の外に露出していた
  • 電気毛布がなかった

とはいえ、ハクキンカイロは低温やけどの恐れもあるので安易に数を増やしたり体に近づけたりするのも危険です。現実的な対策としてはより厚着をして眠る、といったところでしょうか。(まあ、翌日の活動に差し支えがない程度に十分眠れていたようなので実害はなかったわけですが)

まとめ

下記の対策を取ることで、外気温がマイナス10℃でも家族で車中泊が可能

  • 三人で眠る
  • 冬山用の寝袋を使用する(イスカ アルファライト1300クラス)
  • 寝袋の中にハクキンカイロを放り込む (低温やけどに注意)
  • 電気敷毛布を使用する
  • 床面には断熱のためウレタンマットを敷く
  • カーテンでベッドの四方を覆う(冷気の流入、暖気の流出を防ぐ)

以上、読んでくださりありがとうございます。

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