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温度設定の基準が曖昧
ポータブル冷蔵庫のベストセラーといえば、 エンゲルMD14F-D
ウリは、ポータブルながら氷も作れる強力な冷却能力。
その温度調整はダイヤルで調整できるのですが、どこに合わせたら何度になるのか、詳細はよく分かりません。
ダイヤルの横に簡単な表がありますが、ダイヤルを2にしたらどうなるのか? 1と2の間ならどうなるのか? などは謎のままです。ビールを凍らせずになるべく早く冷やすにはダイヤルをいくつにすれば良いのか? もわかりません。
そこで、わたしが所有するエンゲルMD14F-Dを、何も入れない状態でダイヤルを変えてながら温度を測定することでダイヤルの位置と冷却温度の関係を調べてみました。
測定に使ったのは、毎度お馴染みの温湿度データロガー。二台あるので、一台を冷蔵庫の中、もう一台を外に置き、冷蔵庫の中と外の温度を記録します。
なお、庫内データロガーの横にあるのは、これも以前ご紹介したシチズンコードレス温湿度計です。これがあれば、庫内の温度がリアルタイムで分かりますので、測定を区切る目安が判断できます。
測定結果
温度と時間経過の関係を表したグラフは下記の通りです。
吹き出しは、そのときに設定したダイヤルの目盛りの値です。
例えば、下記の吹き出しは、そのときにダイヤルを3に合わせた、ということを意味しています。
ダイヤルは、1→1.5→2→2.5→3→4 の順番に変えていき、温度の変化を記録しました。
ダイヤル2をテストした後、夜になったのでいったん電源を遮断し、翌日2.5からテストを再開しました。
ダイヤルの位置と冷却温度の設定
下記のグラフは、ダイヤルを1→1.5→2 と変えていった部分です。
これを見ると、恐らく下記のように制御が設定されていることがうかがわれます。
ダイヤルが1の時 8℃くらいで急冷から弱冷に切り替わる
ダイヤルが1.5の時 5℃くらいで急冷から弱冷に切り替わる
ダイヤルが2の時 1℃くらいで急冷から弱冷に切り替わる
これ以降も同様に、
ダイヤルが2.5の時 マイナス4℃くらいで急冷から弱冷に切り替わる
ダイヤルが3の時 マイナス8℃くらいで急冷から弱冷に切り替わる
ダイヤルが4の時 マイナス14℃くらいで急冷から弱冷に切り替わる
ビールを急冷するにはダイヤルをいくつに合わせれば良いか?
ビールはダイヤル2で急冷するのが良いと思います。氷点下になるギリギリまで急冷してくれるはず。ダイヤルを2より強力にしても、弱冷に切り替わるポイントが下がるだけですので冷える速度は変わらないと思われます。
但し、ダイヤルの位置と温度の関係は、厳密に調整はされておらずばらつきがあると思われます。そのあたりを温度計無しで手っ取り早く調べようと思ったら、缶ビールを一本放り込み、ダイヤルを設定して数時間放置してみましょう。ビールが凍らずにキンキンに冷えていれば、ダイヤルの位置はそれでOKということになります。
テスト条件
このテストは3月中旬昼間に締め切ったハイエースの中で行っています。車内の温度は30℃近くまで上昇していますので、エアコンを掛けた車内で日の当たらない場所に置かれている時の気温とほぼ類似であろうと思われます。
但し、今回のテストでは中は空っぽですので、ビールが入っていれば冷却速度は今回のテストよりずっと遅くなるはず。
お断り
本記事は、筆者が独断で導き出した内容を記載しており、その内容については全て筆者が責任を負っています。エンゲル冷蔵庫の製造メーカー、販売店などは一切無関係ですのでご承知置き下さい。
以上、読んでくださり、ありがとうございます。
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