わたしは地震の多い関東出身だと言うこともあって、以前からややマニアックに災害対策をおこなってきました。
一方、ご存じの通り昨年ハイエースを購入し、車中泊旅行が快適に行えるように色々と手を加え、物品を買いそろえてきたのですが、防災対策と車中泊の装備はかなりの部分で被ってきます。
本記事では、現在準備している災害対策と、その考え方についてご説明致したいと思います。普通はここまで準備しなくてもよいとは思いますが、まあ、ご参考まで。
装備の内容、量なども、あくまでマニア向けであるということを承知置き下さい。
目次
何日分の準備をすべきか?
食料や水などは最低3日分、できれば一週間分準備せよ、と言われています。
しかし、もしも現在発表されている南海トラフ地震の予想被害規模が正しいとするなら、一週間分でもまだまだ足りないと思われます。南海トラフ地震の規模の地震の発生は1000年に一度もない、という但し書き付きとは言え、万が一にも起きたなら、想定される避難者数は1,000万人近い数とされています。そうなると、避難する人ばかりでこれを助ける人がいない、という状況になる恐れも。
しかも東海道、山陽の物流網は相当の規模で破壊されるのですから、そう簡単に物資が届かない可能性があります。
物資を自分で調達する方法を準備しておく
工業製品を自分で作るのは難しいですが、ある程度自力で調達可能な水や電気は手元の備蓄が無くなった場合に備えておく必要があると考えています。例えば、水なら雨水をためる手段、もしくは河川から水を汲む手段を準備する、電気なら発電する手段を準備する、といった具合です。
問題は食糧なのですが、海で魚を釣る手段などを真剣に考えた方が良いかも知れませんね。(まだやっていませんが)
備蓄品のリストを作り、消費期限と備蓄場所が一目で分かるようにする
面倒な消費期限確認
備蓄品は、消費期限が過ぎたものは新しいものと入れ替えなくてはなりませんが、この、消費期限の確認が思いのほか面倒です。
以前は、備蓄用飲料水を思い付くたびに購入し、適当に収納していました。ある日、思い立って消費期限と備蓄量を把握しようとしたのですがそう簡単ではありません。まず、どこにしまい込んだかよく分からないので思い当たる場所を一通り探し、重たい飲料水を引っ張り出して一箇所に集め、やっと消費期限がチェックできました。しかし、平時でさえ水を引っ張り出すのがこれだけ面倒では、災害時にはどうなることか。
備蓄品のリストを作り、物量と収納場所を明確にする
そこで、このようなリストを作り、備蓄品の量と消費期限、そして収納場所が一覧で分かるようにしました。
リストに記載した「ケース番号」は、備蓄品を入れた段ボールに書かれた番号と対応しており、この表を見れば、必要なものを確実に見つけ出すことができます。(仮にわたしが不在、もしくはその災害で死亡した場合でも)
災害対策に準備すべき品目と量
水は、生活用水と飲料水が必要です。よく、一人一日3リットル、などと言われますが、これは飲料水のみの話。これ以外に体を洗ったり洗濯をしたりするための生活用水を準備しなくてはなりません。
飲料水
仮に災害が来た場合でも給水車からもらえば良いのですが、これまでの事例を見ると数リットルの水をもらうために長時間並ばなくてはらなない場合もあり、そうなると水の入手のためだけに多くの時間と体力を割くことになります。従って、スペースさえ許せば水はなるべく多く備蓄するに限ります。
現在拙宅では、 一人一日3リットル×3人×14日分 =126リットル 以上の飲料水(5年保存水)を備蓄しています。また、消費期限が過ぎた水でも煮炊きや歯磨きなどには使えるだろうと考えて捨てずに取ってあります。
自力での調達方法
とりあえずは生活用水レベルの水を沸かして飲むしかありません。
生活用水
拙宅では風呂の湯は電気温水器で沸かしています。この温水器のタンクに貯めてある水は災害時に生活用水として取り出すことができます。拙宅のタンクの容量は370リットルですが、通常は満タンにはしていませんので、使える量はこれより少ないはずです。
仮に満タンの370リットルあれば、シャワー、もしくは洗濯機による洗濯が数回可能と思われますが、頑張って節約しても一週間程度でなくなると思われます。
自力での調達方法
雨水を雨どいから回収して利用できるよう取水設備と水タンクの設置を検討しています。タンクの容量は100~500リットルの間で各種そろっており、平常時でも植木への水やりなどに利用できます。設置したらまたご報告します。
その後、雨樋から集めた雨水をタンクに備蓄する仕組みを導入しました。
電力
とりあえず単三、単四乾電池をそれぞれ30個程度、CR-2032ボタン電池を3~4個備蓄しています。(古いものから使って足りなくなったら補充する、いわゆるローリングストック法という方法です)
また、車中泊旅行用を兼ねてモバイルバッテリーが6個ほど、常時満充電にしてあります。
自力での調達方法
自宅の屋根にソーラーパネルが設置してあり、全量買取のため屋内配線とは繋がっていませんが、いざというときは非常用コンセントからの給電が可能です。(蓄電はできませんので、使えるのは昼だけです。)
また、ハイエースの屋根にもソーラーパネルがあり、最大200Wの発電と3kWh程度の蓄電が行えます。
家電製品
ハイエースに取り付けたインバーター(バッテリーに蓄えた電力を100Vに変換する装置)の容量は700Wです。バッテリーの容量がぜんぶで3kWh程度しか無い事を考えると、ハイエースで日常的に使える家電製品は、以下のようなものとなります。
電気ポット 消費電力430W
電気毛布 消費電力30W
電気鍋(海外旅行でインスタントラーメンが作れる小さな鍋) 消費電力約400W
USB充電器 消費電力40W程度(繋げるものによって変わる)
エネループ充電器 消費電力20W程度?
PC 消費電力60W程度
エンゲルポータブル冷蔵庫 消費電力30W程度 夏にハイエースのバッテリーから給電してずっと作動させていましたが、電力不足にはなりませんでした。
電気釜も使えると良いのですが、1回の時間が長いので蓄電が3kWhでは無理ですね。
食料品
備蓄量は、一人一日あたり1,800kcal×3人×10日分=54,000kcal分が理想なのですが、現時点では約35,000kcal分しか備蓄できていません。但し、実際にはカップ麺や米のストックを足せば問題なく達成できていますので、当面このままで行きます。
拙宅で主に備蓄しているのは米国オレゴンフリーズドライ社のマウンテンハウスブランドの製品です。実は54,000kcal達成のためにアメリカのアマゾンに発注を掛けたのですが、荷物が不着となり、それ以降再トライしていません。
このマウンテンハウス製品は、一食が送料別で500円~1,000円とやや高いのですが、保存期間が30年ととても長いので、5年ごとに買い替える場合と比べると低コストで食料の備蓄が可能です。
問題は味なのですが、いまだに試せていません。いずれ試食してご報告したいと考えています。
トイレ
トイレは、ポータブルトイレと45リットルゴミ袋(150枚)、そして凝固剤(およそ400回分)を準備しています。
自宅が無事なら自宅のトイレを使えば良いのですが、万が一ハイエースで避難することになった場合に備えてポータブルトイレも準備しています。
トイレは、なるべくゴミ袋を取り替えずに頑張りたいところですが、大が出たら取り替えざるを得ません。10日分必要として計算すると、
一日3回×3人×10日=90枚 ⇒現在の備蓄で足りています。
凝固剤は、小を一人一日5回するとして、
一日5回×3人×10日=150回 ⇒こっちは余裕ですね。
情報収集
情報収集に関してはスマホが命綱。拙宅では、スマホ以外に車中泊旅行用を兼ねて、WiMAXのルーターを契約しています。(実は日頃あまり使わないので無駄とも思いますが、保険だと思ってそのままにしています)
それと、市から斡旋された防災ラジオがあります。非常時に地元のラジオ局から流される防災情報を聴くことができます。
燃料
停電の際は煮炊きをするための燃料確保も重要です。備えが一つだけですと故障が怖いので、拙宅では下記の品々を準備しています。
- カセットコンロ×2台、ボンベ24缶
- キャンプ用コンロ(車中泊旅行と兼用)×1台、ボンベ4缶
ちなみに、カセットコンロのボンベ1缶は、強火で約一時間使用可能とのこと。(イワタニホームページ)
毎日1本使ったとして、一ヶ月近くは持つ計算です。
なお、安いボンベも売られていますが、低温時には燃焼がやや不安定になるようです。
市販のカセットガスは安いのとイワタニの高い奴とでどう違うの?カセットガス比較
ウッドストーブ×1台
自力での調達方法
前項に記載したウッドストーブは、拾ってきた木の枝などを使って煮炊きができる、というものです。燃料の備蓄がなくなったらこれを使う予定です。
なお、ライターも忘れずに。人力で火をおこすのは大変ですから、故障への備えも含め、最低2個は欲しいですね。
自動車の燃料
これもあるに越したことはありません。拙宅では、冬の北海道旅行用に購入したガソリン携行缶に軽油(20リットル)を入れて備蓄しています。ハイエースを走らせるだけではなく、避難時に寝泊まりする際の冷暖房の燃料としても使えます。(アイドリングは褒められた話ではありませんが)
長期間保管すると軽油が変質してしまうので、半年に1回は中身を使って新しいものと入れ替えるようにしています。
なお、ガソリンは揮発性、爆発性がありますので、ポリ容器での保管は絶対に避けましょう。また、軽油は法令では専用のポリ容器でも保管可能ですが、スタンドによってはポリ容器では販売してくれない場合があるようです。(うちの近所も駄目です)
衛生用品
ウェットティッシュ、おしりふき、介護用タオル(いずれも車中泊旅行用と兼用)をローリングストックで備蓄しています。
ドライシャンプーは試してみようと一本買ってそのままになっています。
また、水を使わずに手を綺麗にできるよう、消毒用アルコールも準備しています。
照明器具
廊下、階段に人感センサー付きのLEDライトを3個配置していますので、とりあえずは夜中でも転倒せずに階下へ行けるはずです。
他にヘッドライト、LED懐中電灯を一人1個ずつ、ランタンを2個準備しています。
使い捨ての食器
とりあえず紙皿と紙コップを100個ずつ準備しましたが、食器にラップをかけて使えば良い、というのを聞いてそれ以上の増備はしていません。
避難シェルター
最近、避難所の環境について論じられることが多くなってきました。
大抵は近所の小中学校の体育館ですが、冷暖房のない床の上に雑魚寝、という環境で長期間暮らすと体力と精神力を大きく消耗しそうです。そこで、代わりにハイエースで寝泊まりできるよう整備しています。
その他
現金
北海道胆振東部地震では、大規模停電が発生しておサイフケータイが使えなくなったというツイートが注目を集めました。キャッシュレスを実践されている方も、1000円札を中心に数万円の現金を用意しておくと安心だと思います。
台車
重いものを運びたいが、車の燃料も心細い、というときに役に立つと思いますが、拙宅でもまだ導入を迷っています。(置き場所がない)
水タンク
給水を受けるときに必須。給水車でもらえる水の量に制限がある場合ともらい放題の場合があります。前者なら10リットル程度しかもらえないこともありますが、後者に備えて最低でも水タンクを50リットル分程度は準備しておくべきです。(そして、そのときに台車があると便利です)
なお、20リットルのタンクは思いの外重量があるので、10リットルタンクの方が使う際の取り回しが楽です。
タンクをしまっておくスペースがない、という方には折りたたみ式もあります。
医薬品
一般的な常備薬の他に、持病の薬をストックしておくべきです。わたしは花粉アレルギーで年中薬を飲んでいますが、一ヶ月分ほど備蓄を持っています。(花粉のない北海道などでは飲まずに過ごして備蓄を作りました)
寝具
自宅にある毛布や布団で何ら問題はありませんが、同じ重量、体積なら寝袋の方が断然暖かいですから、車での避難を考えておられる方は寝袋の導入を検討されてはいかがでしょう。
以上、読んでくださりありがとうございます。