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最近人気のポータブル電源
災害時はもちろんのこと、アウトドアや車中泊で役に立つポータブル電源ですが、実際にどの程度使い物になるのでしょうか。今般、アマゾンVINEプログラムで容量500Whのポータブル電源、PowerArQ2を入手したのでその能力をテストしてみました。本記事で使用しているポータブル電源は無償で入手したものですが、例によってこの記事は私が勝手に書いているもので、アマゾンもしくはメーカーであるSmart Tapとのタイアップではありません。本記事の内容はすべて私(筆者)が責任を負っていますのでご承知おきください。
今回テストしたポータブル電源
こちらです。
ポータブル電源の仕様
主要スペックは、下記のとおりです。効率の良いMPPT方式によるソーラーパネルからの充電も可能です。(ソーラーパネルは別売り)
- 定格容量 500Wh (45Ah✕11.1V)
- 定格出力 300W
- 瞬間最大出力 450W(最長 2分)
- AC出力 100V 50Hz,60Hz(切替式) 二口
- DC出力 9.6V~12.6V、10A (シガーソケット) 一口
- DC出力 9.6V~12.6V、3A (5521ピンクラグ) 二口
- 使用可能温度 0℃―40℃
個人的には使用可能温度の下限をもう少し頑張ってほしかったと思います。(他社ではマイナス10℃のものもあり)
テストの目的
電気毛布の稼働時間以外に、下記の諸点を明らかにしたいと思いました。
- 正弦波出力を謳っているが、電気毛布の長時間連続稼働は可能か?
- 定格容量に対して実際に取り出せる電力はどの程度か?
- 電気毛布は周期的にオンオフを繰り返すが、オフの間にスリープ状態に入ったりしないか?
テスト方法
ハイエースベッドキットの上に広げた電気毛布の上、及びベッドキット上の電気毛布が敷かれていない場所に温湿度データロガーを配置して温度変化を測定しながら満充電にしたポータブル電源で電気毛布を稼働させます。
下記の画像の一部を加工しています
温湿度データロガーの配置
ポータブル電源と電気毛布の間に簡易電力計を取り付けて消費電力を測定します。
電気毛布の温度は強と弱のちょうど中間にセットしました。
テスト結果
温度変化
昼過ぎに電気毛布の電源をオンにしました。その後ずっと電気毛布上の温度は何もない場所と比べると5℃程度高い状態を保っていました。夜中の0:12にポータブル電源からの給電が終了し、すぐに温度が下がっていきました。
この間、おおよそ10時間。実際に電気毛布を使って就寝した場合でも、一晩は十分に持つと思われます。
ポータブル電源から取り出せた電力
テスト終了時の積算電力は0.43kWh。所詮簡易電力計なのでこの数値はあくまでおおよその値ですが、電気毛布の定格消費電力が60Wなのに対して電気毛布稼働時の消費電力は62Wと表示されていました。そして、何もつないでいないときでも1Wと表示されているので、(この1Wが何に使われているかはさておいて)リアルタイムの消費電力はほぼ正確。従って、積算電力もほぼ正確と考えて良いと思います。
電気毛布稼働時の消費電力は62W
そして、この0.43kWhというのは、すごい数字です。
なぜならこのポータブル電源は放電深度が90%であると取説に書かれているので、取り出せる電力は最大でも定格の500Whに対して0.9倍の450Wh、つまり0.45kWhのはずです。
今回0.43kWh取り出せた、ということは 0.43/0.45≒0.96=96% が取り出せた、ということになります。
約10時間の間電源が落ちなかったので、このポータブル電源はこの間、電気毛布のサーモスタットに合わせてインバーターをオンオフさせながらずっとスイッチが入ったままだったのですが、それでも効率が96%だったということです。自分が使っているインバーターの効率などを考えると、これは非常に高効率だと思います。
まとめ
ポータブル電源 PowerArQ2でテストしたところ、
満充電で正弦波電源を指定されている電気毛布を約10時間稼働させることができた
電気毛布の電源はサーモスタットで断続的にオンオフされていたが、ポータブル電源がスリープ状態に入ることはなかった
この間、満充電のポータブル電源から0.43kWhの電力を取り出すことができた
これは、理論上取り出せる電力の96%という高い値だった
使用機材
ポータブル電源 Smart Tap PowerArQ2
電気毛布 コイズミ KDK-6051
温湿度データロガー RC-4, RC-4HC
簡易電力計
以上、読んでくださりありがとうございます。