CANON EOS R/R6

【EOS R6】暗闇でのAIサーボAF追従能力を試す

前回の記事では暗闇でのEOS R6の高感度撮影性能をテストしました。このときは基本的にワンショットAF+置きピンで撮影しましたが、今回はAIサーボAFを使って暗闇でどこまでAF撮影できるのかを試してみます。前回は芸備線でしたが、今回は呉線です。夕方、及び早朝の時間帯に走る列車のAIサーボ撮影を行い、ピントの合い具合を検証しました。

撮影地

ポインターのある位置が立ち位置で、ここから南東を向いて撮影しました。ポインターが左上に来るように地図をスクロールしていただくと、線路は海岸線に沿って緩やかな曲線を描いているのがおわかりいただけると思います。立ち位置から列車迄の距離は手前が200m、一番遠くが400mくらいあり、サーボAFが働いているかどうかを試すのに格好の撮影地です。

昼間の景色はこんな感じです。

撮影地の状況

撮影結果

日の入り前にも撮影しましたが、光量が十分あってISO1000程度で問題なく撮影できましたので省略します。(ちなみに、上に掲載した写真はそのうちの一枚です)
今回の撮影は、マニュアルモード(M)フレキシブルAEモード(Fv)で撮影しています。フレキシブルAEモードとは、EOS Rで新登場の撮影モードで、シャッター速度、絞り、露出補正、ISOのなかから任意の値を設定すると適正露出となるように(露出補正以外の)残りの項目を自動設定してくれるというものです。(詳細はこちらの記事をご参照)

今回わたしはシャッター速度と絞りを両方とも指定したので、ISO感度のみが自動設定されることになります。

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EOS R6で夜の列車走行写真を撮る

EOS R6の暗所性能を試す

ここ二年ほどEOS Rを使ってきましたが、驚異のAF性能異次元の暗所性能をもつというEOS R6の評判を聞いて試してみたくなり、一ヶ月強待って今年の1月に手に入れることができました。

EOS R6のISO感度上限は102400、一方、EOS Rは40000ですが、これまで高感度撮影はほとんどやっていませんでした。しかし、2020年2月にEOS RISO12800で撮影したこの写真を見る限り、EOS Rの暗所性能もなかなかのものです。(この画像はRAWデータからそのまま書き出したもので、レタッチやノイズ除去はおこなっていません)

EOS Rで撮影した夜間の写真
EOS Rで撮影した高ISO感度画像(ISO12800)

撮影結果

今回の撮影対象は、芸備線の備後落合-東城間と木次線の出雲横田以南。どちらも定期運行は一日三往復ですが、最後の一往復は暗くなるのでこれまでこの時期に撮影したことはありません。

全画像に共通の撮影条件

  • 使用カメラ EOS R6
  • 撮影モード マニュアル(AE使用せず)
  • 撮影画質 RAW

夕方の撮影

午後6時頃の撮影で、場所はこちらの人気スポットです。

曇天で粉雪が舞っており、列車の通過時刻がほぼ日没時刻なのであたりは薄暗くなっていました。とはいえ、ISO1000なので高感度ノイズは皆無。

元画像と撮影条件

画像はRAWで撮影したデータを何もせずライトルームでJPG書き出ししています。

EOS R6で撮影した夕方の列車走行写真
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EOS R は極寒で使い物になるのか?

OVERVIEW: You’ll find EOS R’s behavior in very cold weather.

今まで一番寒かった撮影は?

以前、会社の正月休みに北海道に撮影に行ったときのこと。釧網本線を撮影してオホーツクの「道の駅はなやか浜小清水」で車中泊をし、翌朝オホーツク海沿いで撮影をしましたが、私の記憶ではこのときが一番寒かった。

釧網本線の撮影を終え、網走の洗車コーナー(昔ながらの、ノズルを手で持って洗車するやつです)で車を洗ったら、「お湯が出ます」にも関わらず車に付いた水滴が直後に凍ってしまい、ドアミラーが見えなくなったこともあり、寒かったという印象が強烈でした。

この時の日付は2003年12月30日から31日です。この間の気温を気象庁のデータで調べてみました。

12月31日朝の撮影では、当時使っていたEOS 10Dは液晶の表示が緩慢になり、携帯電話(ガラケーですが)の液晶も表示がおかしくなっていました。また、EOS 10D バッテリーの寿命は非常に短かった記憶があります。

下記の写真を撮影したのは午前7時頃ですが、そのときはマイナス10℃くらいだったことになります。

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EOS RのAIサーボAFが思いのほか優秀だった

Overview: After the previous article, I tested EOS R Ai servo focus again, and be fully convinced that EOS R Ai servo is really excellent and useful.

以前の記事(【実機テスト】EOS Rで動く被写体にピントを合わせる)でEOS RのAIサーボAFの挙動についてご報告しました。

そのときの結論は、AIサーボAFがきちんと仕事をしているのか、いないのか、今ひとつよくわからない、というものでした。

今回改めて検証した結果、実はかなり優秀であることがわかりました。少なくとも動いている列車の撮影にはかなり役に立ちます

前回同様、列車の撮影でチェックしましたので、その結果をご覧ください。

結論

スピードの遅いローカル列車の場合、AIサーボによる対象の掴み、及びその後の合焦とも問題なく行える。

AIサーボAFで撮影した画像のAFフレーム合焦状況は対象が移動しても変化しない。(対象が移動しても、最初に合唱したAFフレームが赤く表示されたまま変わらない)

AIサーボの合焦状況

まっすぐ向かってくる列車を撮る

跨線橋の上からの撮影です。

縦方向のラージゾーンAFAIサーボAFで撮影しました。

列車が画面に入ります

遠景なので少々かすんでいますが、等倍表示でご覧いただくとこの時点でピントは列車正面にほぼ合っていることがわかります。

赤く表示されているのが合焦しているAFフレーム、黒く表示されているのが合焦していないAFフレームです。

EOS R AIサーボAF テスト

列車正面等倍表示

EOS R AIサーボAF テスト
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学芸会の撮影にEOS Rが最強である3つの理由

Overview: Canon EOS R is very easy to take photos of kids on dark stage. Additionally, it’s user friendly AF system is very helpful to get very accurate focusing on the aimed spot.

先日娘の小学校で学芸会があり、写真と動画を撮影してきました。昨年はEOS 1Dmk4を使いましたが、今回はEOS Rを使って撮影しました。EOS 1Dmk4でも十分満足だったのですが、EOS Rではそれを上回る品質の画像を撮影することができました。今回は、学芸会などの撮影においてEOS Rのどこが優れているのかをご説明します。

Fvモードが便利

EOS Rシャッター速度絞りISO感度をカメラ任せにできるFvモード(フレキシブルAEモード)を備えています。今回は、EOS RFvモードを使って娘の学芸会を撮影しました。

Fvモードとは?

フレキシブルAEモード(キヤノンホームページより転載)

EOS Rに初めて搭載された撮影モードで、シャッター速度絞りISO感度をすべてカメラ任せにすることもできますし、このうちのどれか一つを好きな値に設定し、それ以外をカメラ任せにすることもできます。

ISO感度の上限を12800、下限を100(いずれも購入時の設定)にして、 シャッター速度を1/100で固定した場合のおおよその傾向としては、

  • 光量が十分あるときはISO感度は100にほぼ固定され、絞りが絞られます。
  • 光量が減ると、絞りが開放されます。
  • 絞り開放でさらに光量が減ると、今度はISO感度が上がっていきます。

すなわち、基本的に絞りを開放する前にISO感度が上がることはないようです。

従って、シャッター速度を固定した上でなるべく絞りを開けたい、というときはFvモードで使う最低ISO感度を400など、やや大きめの値に設定するしかないと思われます。現時点ではISO感度と絞りのどちら優先する方を選ぶ、といった設定はできません。

Fvモードのメリット

学芸会の撮影で一番避けたいのはシャッター速度不足による被写体ブレです。(もちろん手ぶれも困りますが、こちらは手ぶれ補正である程度は解消できます)

Fvモードなら、シャッター速度を必要な値に固定しておけばあとはひたすらシャッターを切るだけ。失敗の可能性は格段に下がります。万が一ISO感度と絞りだけでは必要なシャッター速度が確保できない状態になると、ファインダー内の表示が点滅するのですぐにわかります。

ピント合わせが正確

EOS Rは、デュアルピクセルCMOS AFによる正確で高速なAFを謳っていますが、ピントのシャープさは二昔前のプロ機、EOS 1Dmk4に引けを取りません。(少なくとも動かない被写体の場合は。)

後述のオートフォーカスフレーム位置の変更が非常に使いやすいことと相まって、EOS 1Dmk4よりも遙かに手軽にピントぴったりの写真を量産することが可能です。

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【実機テスト】EOS Rで動く被写体にピントを合わせる

Overview: Analyze the photos of trains I took with EOS R to clarify the ability of EOS R AI servo AF system.

EOS RのAIサーボは使い物になるのか?

わたしはスナップ写真以外ですと鉄道の写真をよく撮るので、カメラの性能の中では連写性能動体追尾AF(キヤノンですとAIサーボAFですね)の性能を重視してきました。

最近は歳を取って枯れてきたせいか走る列車を正面からアップで捉える、といったアグレッシブな撮り方はしなくなりました。従って、動体追尾の重要性も以前に比べると若干下がりはしたのですが、相変わらず重要なポイントの一つです。

EOS Rは、動くものを捉える能力が低いのではないかという噂もありましたが、今使っているEOS 1D-MKⅣに比べてフルサイズ、かつ画素数が約二倍になる、という魅力には抗しがたく、AFが駄目ならROS Rは置きピン専用機になっても良し、という覚悟で購入しました。

列車の撮影でオートフォーカスの性能をチェック

マップカメラに予約を入れていたEOS Rは、発売日当日の10月25日に宅配便で届きましたので、早速これを持って小海線の撮影に出掛けました。10月27日に出発し、28、29日と撮影をしました。

最初はEOS 1D-MKⅣをメインにちょこっと試すだけのつもりだったのですが、この10年間のカメラの進歩は素晴らしく、EOS Rがあまりに使いやすいため、後半になるとEOS Rばかり使っていました。

とは言っても、EOS Rの画質をろくにチェックせずに出掛けたため、自宅に戻って画像をチェックするまではちゃんと撮れているかどうか心配でした。

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EOS Rは安物のSDカードを使って何枚連写できるのか?

Overview: For CANON EOS R, UHS-II SD cards are the best partner, but they’re very expensive. So I tested some of my cheap or old   SD cards’ performance with EOS R.

UHS-II対応のSDカードは高い!

今回、10年ぶりに新しいカメラ、EOS Rを買いました。

フルサイズもミラーレスも初めてですが、思ったより使いやすい印象です。

そのあたりは追って報告しますが、まずはわたしが購入前に気になっていたことを調べてみました。

EOS Rの商品紹介を見ると、下記の記載があります。(赤線はわたしが引きました)

(キヤノンホームページより引用)

わたしはいつもRAWで撮影するので、連写速度もさることながら、一度で連写できる枚数が気になります。

この説明によると、

「連続撮影可能枚数は、RAW+JPEGラージ/ファインで約34枚を達成」

とありますが、但し書きとして、

当社試験基準SDカード(標準:32GB/高速:UHS-II対応32GB)を使用し、当社試験基準(高速連続撮影、静止画クロップ/アスペクト:フルサイズ、ISO100、DPRAW撮影:しない、ピクチャースタイル:スタンダード)で測定。

と書かれています。

さっそくUHS-II対応のSDカードの価格を調べたところ、これが結構高価で、32GBで6千円以上、64GBで12千円以上します。そこで、とりあえずUHS-II対応のSDカードは購入せずに手持ちのカードでどの程度の性能があるのかを調べてみることにしました。

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