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EOS R6の暗所性能を試す
ここ二年ほどEOS Rを使ってきましたが、驚異のAF性能と異次元の暗所性能をもつというEOS R6の評判を聞いて試してみたくなり、一ヶ月強待って今年の1月に手に入れることができました。
EOS R6のISO感度上限は102400、一方、EOS Rは40000ですが、これまで高感度撮影はほとんどやっていませんでした。しかし、2020年2月にEOS RのISO12800で撮影したこの写真を見る限り、EOS Rの暗所性能もなかなかのものです。(この画像はRAWデータからそのまま書き出したもので、レタッチやノイズ除去はおこなっていません)
撮影結果
今回の撮影対象は、芸備線の備後落合-東城間と木次線の出雲横田以南。どちらも定期運行は一日三往復ですが、最後の一往復は暗くなるのでこれまでこの時期に撮影したことはありません。
全画像に共通の撮影条件
- 使用カメラ EOS R6
- 撮影モード マニュアル(AE使用せず)
- 撮影画質 RAW
夕方の撮影
午後6時頃の撮影で、場所はこちらの人気スポットです。
曇天で粉雪が舞っており、列車の通過時刻がほぼ日没時刻なのであたりは薄暗くなっていました。とはいえ、ISO1000なので高感度ノイズは皆無。
元画像と撮影条件
画像はRAWで撮影したデータを何もせずライトルームでJPG書き出ししています。
トリミング・レタッチ後
白レベル+58
ハイライト-27
トリミングと若干の明るさ調整を行いました。
画像の状態
ノイズ、ブレとも問題ないレベルです。
夜の写真1
まずは比較的明るい状態で撮影した夜の写真です。
元画像と撮影条件
場所はこちら。
備後落合方面行きの最終列車で、備後落合着が19:51頃。この撮影地はEOS Rでの作例と同じ場所です。
列車通過前の状態はこちら。踏切の向こうにトンネルの出口があり、こちらに向かってきた列車の前照灯を頼りにサーボAFでの撮影が可能でした。
トリミング・レタッチ後
露光量+0.4、トリミング
画像の状態
ノイズ、ブレとも問題ないレベルです。
夜の写真2
元画像と撮影条件
撮影場所はこちら。(実はここで日中撮影したことはありません)
ストリートビューでは見えませんが、歩道から高架下を撮影しています。
列車の現れるであろう場所をサーボAFで検出することはできなかったので、ワンショットAFによる置きピンで撮影しました。高架の道路脇にある照明で下あたりがぼんやり照らされていました。とはいえAFの頼りになるのは下記写真にも写っているいくつかの街灯の光だけです。R6はこのわずかな光でワンショットAFが可能でした。
トリミング・レタッチ後
露光量+0.8、トリミング、ノイズ除去
ノイズ除去を行ったところ、ノイズ感はほぼ解消されました。
画像の状態
若干ノイズ感あるも、ノイズ除去で問題ないレベルに仕上がった。ブレはなし。
朝の写真
朝と言ってもほぼ真っ暗です。この写真は前項の写真と同じ立ち位置で撮影しており、このときはまず一枚目のアングルで撮影後に素早く三脚の首を回転させてアングルを変え、二枚目を撮影しました。列車が通過する頃は、月がほぼ沈んでおり、日の出の40分前という時刻でしたが空がほんのちょっとだけ明るくなってきていて空と山の境目がぼんやり見え始めていました。
元画像と撮影条件
このときはAFエリアをラージゾーンAF(横)にしてサーボAFで撮ってみました。ピントは合っているように見えますが、これはサーボで拾う前にワンショットAFで置きピンしていたのがそのまま適用されたのか、実際にサーボAFが作動したのかは不明です。絞りを4.0、シャッター速度1/160という組合せだったのでやや光量不足になっているようです。シャッター速度は1/100でも良かったかな。
トリミング・レタッチ後
一枚目 露光量+1.8、トリミング、ノイズ除去
二枚目 露光量+1.4、トリミング、ノイズ除去
二枚とも露光量補正で画像を明るく補正し、発生したノイズをノイズ除去で取り除きました。RAWデータだからかもしれませんが、ノイズ除去後の仕上がりが素晴らしい。
画像の状態
ノイズ、ブレとも問題ないレベルです。やや光量不足でしたが、露光量補正とノイズ除去で問題ない画像にすることができました。
まとめ
EOS R6で夜の列車走行写真を撮影した結果、
- ISO32000でもノイズはさほど気にならなかった
- 高ISO撮影画像に1~2段の露光量アップを行っても、ノイズ除去を行えば問題ない画像に仕上げることができた
- 今回使用したレンズ(タムロン28-75 F2.8とEF24-105 F4L IS USM)の場合、遠くに小さく見える街灯の光でもワンショットAFが可能だった
ということで、機材の軽量化、高性能な手ぶれ補正と相まって、撮影できる写真が格段に広がりそうです。
以上、読んでくださりありがとうございます。