ハイエース断熱

車中泊で役に立つioT温度計はどれ?

スマホで温度が確認できるioT温湿度計はどれがよい?

ioT温湿度計の便利さに目覚める

昨年暮れにふとしたことからGoveeのioT温湿度計を入手して使ってみたのですが、これがなかなか便利。スマホでBluetooth接続すると現在の温度や過去に遡ってのデータの取り込みなどができます。

わたしはハイエースの断熱効果やポータブル冷蔵庫の性能確認のために温湿度データロガーを使用してきましたが、これを車内に付けっぱなしにしておけば好きなときに好きな期間のデータを取り込むことができます。データロガーは現在の状況がわかりませんので温度の異常をすぐに知ることはできません。また、スイッチを押し忘れてデータが取れていなかったこともありましたがioT温湿度計ならそんなミスは発生しません。

アマゾンで Bluetooth 温度計 と入れて検索するとずらっと出てきますが、メーカーで言うとGovee、Inkbird などの製品が目を引きます。そして検討の結果車内はSwitchBotの温湿度計、車外はInkBirdの温湿度計を購入したのですが、以下ではこれら3社の製品を比較してみました。

試してみた三社の比較(リンクは各社のアマゾンページへ飛びます)

Inkbird

温湿度計やサーモスタット、調理用温度計などを販売しています。三社の中では唯一プローブでの測定に対応した製品を販売しています。届いた製品が一週間で故障したのですが、連絡したらすぐ返事が来て代品を送ってくれ、とても良い対応でした。 わたしの購入した大きめの機種は今のところ問題ないのですが小型のBluetooth温度計は電池の持ちが悪い、氷点下付近になると測定値がおかしくなるといったレビューが散見されます。

2022/03/16追記

故障というのは温湿度データが記録されなくなるというトラブルで、電池を抜いて入れ直したらとりあえず復旧したのですが、これでは肝心なときに必要なデータが取得できない恐れがあるので連絡して代品を送ってもらったのでした。

がしかし、3月初旬に見てみると、代品として送ってもらったものも同じ症状が出ていました。故障ではなく製品固有の問題だったようです。その後は保管してあった代品も引っ張り出して2台とも稼働させています。これなら1個でデータが取れなくてももう1個のデータで補うことができますので。

というわけで、Inkbirdの製品はおすすめできません

Govee

照明器具を主体としたスマート家電の会社です。スマート加湿器やスマートプラグなども販売しています。本体に温度表示のあるもの、ないもの、Wi-Fi機能を持ったものなど選択肢が豊富です。評判も悪くないと思います。

SwitchBot

既存の家電製品を自動操作するコントローラー、スマートプラグ、監視カメラなどのioT機器を販売しています。ハブを介して温度計、人感センサーなどを連携させることができます。温湿度計はioT機器の一つとして販売されており、種類は1機種しかありません。評判は良いと思います。

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断熱されていない車の中で暖かく過ごすにはカーテンが最強

断熱パネルをカーテンに代えた理由

当初は 以前の記事 冬でも快適車中泊 ハイエース断熱化で車内温度はどうなる? でご紹介した断熱パネルを作り、側面、及びリアゲートの窓を断熱していました。しかし、取り付け取り外しが思いの外面倒なのと外したパネルの置き場所を車内に確保するのが大変なため、2018年の冬からは荷室の四方に配置したカーテンだけで過ごしてきました。

カーテンだけだと車中泊時の室内が冷え切ってしまうのではないかと危惧していましたが、断熱板と比べてさほど寒い思いをすることもなく現在に至っています。

カーテンが暖かいことをデータで裏付けたい

翌朝冷え切っているのは断熱板もカーテンもさほど変わりません。しかし、カーテンの方が暖かさが逃げにくく、現地に到着して暖房を切っても長時間快適に過ごせることが体感でわかってきたのでこれをデータで裏付けることにしました。

現在の断熱状況

車体

下記の通り、見よう見まねのDIY断熱なのでお世辞にも完璧とは言い難いです。

  • 天井 DIYで断熱材(グラスウール)を封入。
  • 側面 窓はそのまま、内張を自力で剥がせた場所には断熱材(銀マット)を貼付。
  • 床面 購入時、荷室床面に敷いてあったフロアマットの下に断熱材(銀マット)を貼付。

車内

①床面 ベッドキットの上に、以前の記事でご紹介したウレタンマットレスを敷いています。
②ベッド前がわ 以前の記事でご紹介した断熱カーテンを使用しています。
③ベッド後ろがわ こちらは外光を取り入れる必要はないので、カーテン 遮光1級幅100cm×丈120cm を使用しています。
④側面 本当はベッド前側に使用している断熱カーテンと同じ素材で丈の短いものが欲しかったのですが、見当たらなかったので ミラー カフェ カーテン 幅140cm X 丈70cm   を使っています。

車内の状況は下記の通りです。(散らかっていてすみません)

車内の断熱状況
車内の断熱状況
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家族で-10℃極寒北海道にて快適車中泊する6つのコツ

冬の北海道へ家族旅行

一昨年(2018年)、極寒の北海道でどうすれば快適に眠れるかをテストしました。

今回は冬の家族旅行で北海道へ出かけることにしました。(言い出したのは私ですが、娘も妻も納得の上での実行です。無理に連れ出したわけではありませんよ)
家族旅行で家族を辛い目に合わせるわけにはいかないので、昨年・一昨年の冬の北海道での経験を活かし、(可能な範囲で)準備万端で臨みました。

具体的には、下記の通りです。

  • 昨冬の白川郷で使用した極寒用寝袋を今回も持参
  • ハクキンカイロを人数分用意
  • 電気毛布を用意
  • 電気毛布が長時間使えるように充電能力をアップ(こちらの記事ご参照)
  • エンジンを掛けて車内を温める可能性に備え、燃料タンクの燃料が50リットルを下回らぬようこまめに給油

金のかからない対策ばかりですが、災害避難時の練習も兼ね、簡単にできる対策を積み重ねてなんとか暖を取ろうという目論見です。

前回との違い

前回の記事で実施した防寒対策と比べると、

という点が異なっています。運転の下手な私には車両の斜め後方の視野が遮られる断熱板は危険と判断して昨年から使用を中止、代わりに荷室の窓にはレースのカーテンを使っています。スタイロフォームと比べるとカーテンの断熱性は低いですが、窓が冷えることによる冷気の対流の影響を防いでくれるので、防寒能力はさほど遜色ないと感じています。

これは、カーテンを閉めた状態で後部ハッチ側から前方を見たところ。運転席と荷室の間も含め、カーテンでぐるりと囲んでいます。(なお、この写真は今回の旅行の前に撮影したものです)

車内のカーテンを閉めて冷気の流入を防ぐ
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【凍死しないために】極寒車中泊でどこまで寒くなるかを計算する方法

以前の記事でご紹介した北海道の温度データのグラフを一つの式でまとめられそうな予感がしたのですが、気づけばもう夏。

がしかし、先日やっと見つけました。極寒で冷えていく車内の温度変化を表すであろう数式を。

ハイエース冷却のモデル

※熱伝導については、こちらのサイトを参照しました。 もっと知りたい! 熱流体解析の基礎

極寒で冷えていくハイエースを、下図のようにモデル化しました。

(ちょっとひどい図ですが、それは置いておいて)

ハイエースの熱容量をC (J/℃)

ハイエースの全表面積を S (m2)

熱伝導によるハイエースから外界への熱流速を q (W/m2)とします。

このとき、ハイエース車体の熱伝導率をλ(ラムダ)とすると、熱の放出速度Q=qS= -λ×dT/dy×S

ここで、dT/dyは温度勾配と呼ばれ、温度の高い部分と温度の低い部分の間の温度の勾配のことを指しています。

下記を仮定して話を単純化します。

1.ハイエースからの熱の放出は、熱伝導によってのみなされる。(対流、輻射による熱の移動は無視する)

2.ハイエースから外界への熱伝導は、すべて同じ温度勾配でなされる。

3.この温度勾配の値は、ハイエース車内と外界の温度差に比例する。

すると、

4.ハイエースの温度の低下速度は熱の放出速度に比例し、

5.熱の放出速度は温度勾配に比例するので、

ハイエース内部の温度の低下速度はハイエース車内と外界の温度差に比例する

ということになります。

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極寒車中泊で車内温度=外気温+5℃ の維持に必要なもの

概要

先般、下記の記事にて極寒の北海道における寝心地についてレポート致しました。

極寒でエンジンを回さず快適車中泊する6つのコツ

この中でもご説明しましたが、今回の北海道旅行では全行程の車内温度と外気温度を温湿度データロガーで測定、記録しました。

帰宅後にこのデータを抽出してチェックしたところ、面白いことが分かりました。

断熱のみでは車内の温度は外気温+2℃が関の山

これまでの記事では、ボディの断熱に加えて、下記のような対策を施して断熱の効果を検証してきました。

  1. 窓にスタイロフォーム製断熱パネルを取り付ける
  2. さらにその上に断熱性のあるウレタン製マットレスを敷く
  3. ベッド上面の全面側を銀マットで塞ぐ

人間の体温や電気毛布で気温を上げるのは難しい

下記のグラフは、自宅で行ったテストで、車内に電源を入れた電気毛布を二枚配置して気温を測定したものです。黄色のマーカーが車内温度と外気温度の差で、これが高いほど車外に比べて車内が暖かいことになります。しかし、電気毛布を発熱させたとしても翌朝の車内温度はせいぜい外気温+2~3℃程度でした。

ハイエース断熱化
これまでのテストでは、断熱の効果を明らかにできませんでした
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ハイエースの断熱をアップグレード、その効果を検証してみた

この前の記事は、冬でも快適車中泊 ハイエース断熱化で車内温度はどうなる2をご覧ください。

寒さがこたえる

正月明けの寒波の時期に一人で車中泊をしたのですが、歳のせいか寒さがこたえました。夜間、車外は氷点下になり、車内も窓が結露して凍っていました。特に、ベッドキットのマット上面が意外に冷たいのと、スライドドアのあたりから忍び込んでくる冷気が気になりました。

断熱をアップグレードしてみた

そこで、断熱マットをベッドキットのマット上面に敷き、また、窓を断熱していないフロント部からの寒気の流入を減らすため、ベッド前部に屏風のように断熱マットを立ててみました。

ベッド上に敷いたのが東和産業 保温シート つなげる省エネ暖マット 約1畳分。厚みが7ミリあり、断熱効果が高そうです。

ハイエース断熱
冬は冷たいベッドマット上面にこれを敷きます

ベッド前面を塞ぐのにはアルミ保 温マット 3畳 1.8×2.4m 厚4mm ホットカーペットほかほかデラックス U-P388 を使いました。より高い保温性を期待して、厚みが4ミリのものを選択しました。

ハイエース断熱
ベッドの前面開口部をこのマットで塞ぎます

仮配置ですので、切断はせず折り曲げただけでベッド前面に立てました。

両者を取り付けた状態は、こんな感じです。

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冬でも快適車中泊 ハイエース断熱化で車内温度はどうなる2

前回の結論

先日の記事(冬でも快適車中泊 ハイエース断熱化で車内温度はどうなる?)で、断熱パネルの効果を確認するため、車内と車外の温度を測定し、

  • 断熱工事を施したハイエースの車内に人が一人いると、暖房をしなくても車外より気温が3℃程度暖かくなる
  • さらに断熱パネルで窓からの熱の流出を止めると、車内に人が一人いれば、暖房をしなくても車外より気温が6℃程度、深夜でも5℃程度暖かくなる

という暫定的な結論を得ました。

今回のテスト内容

前回は温度計を目視で確認していたため、寝ている間は測定ができませんでした。よって、データは遅くても夜1:00まで。

今回は、下記の4パターンについて、周囲の温度、湿度をオフラインで継続的に記録できる温湿度データロガー、RC-4HCを使って車内温度の測定を行いました。(データロガーについては、過去記事 オフラインで長期間使える温湿度データロガー RC-4HCをご参照下さい。)

ハイエースZEH化
テスト区分

但し、データロガーは一台しかないので、車外温度は気象庁のホームページで入手できる近隣都市の気温データで代用することにしました。(残念ながらわたしの住んでいる街には気温の測定ポイントがありませんので。)

テスト方法

拙宅の駐車場に停めたままにしたハイエースのベッド後部にデータロガーを上向きに直接置き、気温を記録させました。

測定のインターバルは10分で、1セットは一晩(18時~翌朝5時まで)としました。これ以外の時間帯も連続的に測定しましたが、日光による放射熱侵入の影響を除くため上記以外の時間帯のデータは使っていません。

加熱は、電気毛布2枚をベッドキットの上になるべく重ならないように拡げて、一番熱い「ダニ」モードでつけっぱなしにしました。このときの発熱は、毛布二枚でおおよそ100W=人間一人分が出す熱量 となります。

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冬でも快適車中泊 ハイエース断熱化で車内温度はどうなる?

Overview: The purpose of purchasing HIACE VAN is to visit HOKKAIDO, the northern part of Japan in Winter. In order to keep the room warm, I installed heat insulation and measure its effect.

断熱化をやってみた

ハイエース購入に当たっては、諸先輩のブログを参考にして様々な改造を行いました。中でも、絶対にやろうと思っていたのが断熱です。下記のサイトを参考にしました。

HIACE-SGL.net 様

ハイエースで、どこまでいけんの? 様

48rider.com 様

あまり要領よくできなかったわたしの断熱工事についてご説明してもしょうがないので、断熱工事をされようという方は、上記の諸先輩の記事を参考にしていただければと思います。

皆さんこの道のベテランばかりなので比較的容易に作業されているようなのですが、ド素人のわたしは相当てこずりました。内張をはずして断熱材を入れ、元に戻すのに丸五日くらい作業をするはめに。でも、絶対にやりたかった作業なので、やり遂げたことには満足しています。(仕上げが若干問題ありですが)

断熱パネルも作ってみた

断熱材を仕込んだ後、同じく48rider.com 様の下記の記事を参考にして、(というか、そのまま利用させていただいて)窓の断熱パネルを作りました。

ハイエース断熱パネル
ハイエース断熱パネル
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