目次
前回の結論
先日の記事(冬でも快適車中泊 ハイエース断熱化で車内温度はどうなる?)で、断熱パネルの効果を確認するため、車内と車外の温度を測定し、
- 断熱工事を施したハイエースの車内に人が一人いると、暖房をしなくても車外より気温が3℃程度暖かくなる
- さらに断熱パネルで窓からの熱の流出を止めると、車内に人が一人いれば、暖房をしなくても車外より気温が6℃程度、深夜でも5℃程度暖かくなる
という暫定的な結論を得ました。
今回のテスト内容
前回は温度計を目視で確認していたため、寝ている間は測定ができませんでした。よって、データは遅くても夜1:00まで。
今回は、下記の4パターンについて、周囲の温度、湿度をオフラインで継続的に記録できる温湿度データロガー、RC-4HCを使って車内温度の測定を行いました。(データロガーについては、過去記事 オフラインで長期間使える温湿度データロガー RC-4HCをご参照下さい。)
但し、データロガーは一台しかないので、車外温度は気象庁のホームページで入手できる近隣都市の気温データで代用することにしました。(残念ながらわたしの住んでいる街には気温の測定ポイントがありませんので。)
テスト方法
拙宅の駐車場に停めたままにしたハイエースのベッド後部にデータロガーを上向きに直接置き、気温を記録させました。
測定のインターバルは10分で、1セットは一晩(18時~翌朝5時まで)としました。これ以外の時間帯も連続的に測定しましたが、日光による放射熱侵入の影響を除くため上記以外の時間帯のデータは使っていません。
加熱は、電気毛布2枚をベッドキットの上になるべく重ならないように拡げて、一番熱い「ダニ」モードでつけっぱなしにしました。このときの発熱は、毛布二枚でおおよそ100W=人間一人分が出す熱量 となります。
なお、車載バッテリーでは連続で電気毛布を使った場合の電力がまかなえないので、庭のコンセントに延長コードを繋いで車内に引き込み、電力を供給しました。
テスト結果
それぞれのグラフは、下記の通りです。○は実施、×は未実施、の意味です。
1. 加熱○、断熱○
一見するとテスト10-1の方が車内温度、及び(車内温度-車外温度)が低いですが、これはテスト10-1のデータが23:00始まりになっているためです。(他は全て18:00から)
同じ時間帯で比べると、10-1と10-2はほぼ同じように増減しています。
いずれの場合も気温が最低となる明け方まで(車内温度-車外温度)は4℃程度をキープしています。
2. 加熱×、断熱○
加熱○、断熱○ は0:00以降は(車内温度-車外温度)はほとんど下がらないのですが、こちらは加熱が無いため、明け方まで下がり続けます。
3. 加熱○、断熱×
(車内温度-車外温度)は0:00以降、ほぼ下がらなくなりますが、加熱○、断熱○ と比べるとその差が小さいです。
4. 加熱×、断熱×
直前までエンジンを掛けていたテスト9-1以外は、出だしから(車内温度-車外温度)はわずか1~2℃と低く、それが明け方まで続きます。
なお、下記のイレギュラーがあります。
加熱×、断熱× テスト9-1 直前まで車を使っていたので室内とエンジンが暖まっていました。
結論
表の通り、明け方の最低温度は、パネルがあることで約1℃、人一人分の発熱があることで約2℃上昇します。
車内に人間が一人いる状態で窓を断熱して寝ている場合、車内は車外よりも約4℃暖かくなります。
エンジンが充分に暖まっていると、その効果で少なくとも4~5時間は車内の温度が1~2℃上昇します。(テスト9-1の場合で、2℃高い状態が4時間続いています。)
消費エネルギーは?
窓を断熱して人が一人で寝ているだけで車内の温度が4℃上昇し、これに対して何らエネルギーは消費していません。
これに電気毛布を一枚プラスしたとすると、最大でも消費電力50W×8時間で400Wh。
ハイエースに乗せたソーラーパネルの出力は210Wですので、晴れていればパネルの発電で電気毛布の消費電力は十分まかなえる計算です。
続き
- 人が二人いたら車内の気温はどうなるのか?
- 人が一人で電気毛布を使ったらどうなるのか?
というあたりを簡単に計算できると面白いと思い、引き続きデータを色々とこね回しているのですが、なかなか綺麗な結論が導けません。今しばらくお待ち下さい。
以上、読んでくださり、ありがとうございます。
この続きは、ハイエースの断熱をアップグレード、その効果を検証してみたをご覧ください。
【寒さ対策】関連記事の一覧はこちらです。