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炎天下の車内が暑くなる原因は?
近年は年を追うごとに夏の暑さが厳しくなっており、これをなんとかしないと車中泊旅行で体調を崩すことにもなりかねません。夏場の日中、ベッドキットを設置したハイエースの荷室で過ごすと、下記の3つのルートで大量の熱がが車内に流入していると感じられます。
- 直射日光で熱くなったアスファルトから立ち上る熱気が車内に入る
- フロントガラスから入った太陽光で運転席付近が熱くなり、熱気が後部へ流れてくる
- 車両後部のプライバシーガラスが熱を持ち、おかげで荷室が暑くなる
この中で意外に侮れないのが3です。直射日光下に置かれたハイエースは、フロントよりも荷室のプライバシーガラスのほうが熱くなっています。これは太陽光が黒いガラスを通り抜けるときに熱を吸収しているためと思われ、そうだとすればカーテンで太陽光が車内に入るのを防いだとしてもプライバシーガラスはしっかりと太陽光で加熱されていることになります。
したがって、プライバシーガラスが熱くなるのを防ぐためには、遮光パネルを車内ではなく車外に設置しなくてはなりません。
遮光パネルの材料を探す
車内に設置するのであればダイソーで売っている薄い銀マットを窓に貼り付ければ良いのですが、車の外となると、風を受けてもそれに抗して固定できるようある程度厚みが必要です。そこで、やや高価ですが下記を購入しました。
本来の用途は日よけではなくキャンプや車中泊で寝床の下に敷くための断熱マットです。
すべての窓を覆ってしまうと車内が薄暗くなるので、フロントガラス、運転席側面、荷室側面用に各1枚ずつ作り、運転席側面と荷室側面は日の当たっている側だけに使うことにしました。購入したのは、MサイズとLLサイズ各1枚です。
遮光パネルを作る
ダイソーで売っている荷造り用のベルトを両面テープとプラスチック板を使って貼り付けました。ベルトを直接断熱マットに貼り付けると、風に煽られて強い力がかかった際にベルトが断熱マットから千切る恐れがあるのでこのような方法にしました。
そしてこのベルトにバックルを取り付け、パチンパチンとはめるだけで車体への取り付けができるようにしました。
炎天下で取り付けてみる
実施日 2019年7月某日、公園の駐車場(下はアスファルト)
前面は上をルーフキャリアに、下をワイパーに取り付けました。
荷室側面の窓はルーフキャリアからぶら下げるだけのつもりだったのですが、風でまくれ上がるので下端を手持ちのマグネットで押さえました。
運転席の側面窓は、断熱マットに貼り付けたベルトを窓に挟み込むだけだったのですが、風が吹くたびにこのようにまくれ上がってしまいます。しかし、マグネットはもう無いので、ここはこのままにしました。
遮光パネルを付けたプライバシーガラスの温度は明らかに低い
スライドドアの窓(=プライバシーガラス使用)には遮光パネルは付けていなかったのですが、日光が当たっている側を触ると60℃くらいありそうです。
一方、遮光パネルを付けた荷室側面のプライバシーガラスは人肌くらいの温度です。
(残念ながら表面温度計を所有していないので測定データはありません。)
このように、車内に直射日光は当たっていません。(大変散らかっており、申し訳ありません)
車内の温度は? 過ごしやすさは?
このように遮光パネルで直射日光を遮断した上で2時間ほど過ごしました。プライバシーガラスから感じるあの熱気は解消されました。風も良く通ってくれたので、車内は日陰に準じた快適さになっていたと思います。しかし、開け放した後部ハッチから入り込んでくるアスファルトの熱気は止めようがなく、それなりに暑かったです。
温度は、ご覧の通り車外が31.9℃、車内が32.2℃。車内の温度が車外とほぼ同じですのでこの断熱パネルはある程度効果があったと言えます。
ちなみに、このときの気象庁のデータは、気温29.1℃ですので、アスファルトの照り返しで気温が3℃くらい上昇しているようです。
温度を測定してみる
そこで日を改め、梅雨の晴れ間を狙って温度測定をしました。
実施日 2019年7月某日
後部ハッチ全開、スライドドアと運転席の窓は日のあたらない側だけ全開、スライドドアの小窓は2,枚とも全開
温湿度データロガーをベッドマットの進行方向前部、中央部、後部の日の当たらない場所に置き、遮光パネルがない状態、取り付けた状態でそれぞれ温度を記録しました。
具体的には下記のとおりです。
- 朝8:00頃から温度測定開始。昼ごろまでは遮光パネルなし
- 昼に遮光パネル取り付け、スライドドアと窓の開ける側を西側から東側に変更
- 13:30頃に断熱パネル取り外し
温度測定結果を下記グラフに示します。
昼頃に遮光パネルを取り付けたあとも、青いマーカーで示した車内の温度は(ほんの1℃ほど下がったものの)引き続き上がり続け、午後2時頃にピークを付けていますので、このデータをもって遮光パネルのおかげで車内が涼しくなったとは言い難いです。
また、午前中は太陽光に熱せられたプライバシーガラスの影響を一番受けやすいベッド中央部の温度が他よりも高く、それが遮光パネルを付けたあとはベッド前部、ベッド後部と同じくらいまで下がっています。ここまでは良かったのですが、午後2時頃に遮光パネルを取り外したのにベッド中央部の温度だけが再び上がる、とはいかずこちらも遮光パネルの効果があったことを裏付けるデータが取れたとは言えません。
まとめ
- 遮光パネルを車の外に設置して日光を遮断すると、荷室側面のプライバシーガラスの温度は60℃くらいから常温に下がる
- おかげで荷室にいても、荷室側面窓からの熱気を感じることがなくなり、快適さがアップ
- しかしながら路面の熱気の影響は防ぐことができない
- また、車内の温度測定結果を用いて遮光パネルの効果を数字ではっきりと示すことはできなかった
以上、読んでくださりありがとうございます。
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