目次
夏のためのテスト
夏休みに出掛ける前にやらなくては、と思っていたテストを実施しましたので結果をご報告します。
停車してエンジンを切り、窓を閉めたハイエースの車内で車内温度(グラフでは庫外温度と表記)と冷蔵庫の庫内温度はどう変化するのかをテストしました。
テスト方法
車の駐車場所
自宅の駐車場に駐車。夏場は朝5時頃から午後3時頃まで直射日光が当たります。それ以降は、山や建造物との関係で直射日光は当たらなくなります。
冷蔵庫の置き場所
ハイエースの後部座席を畳んでできるスペースにエンゲルポータブル冷蔵庫MD14F-Dを置きました。
窓の状況
下記の通り、冷蔵庫に直射日光が当たらないようにしました。
- 荷室側面窓 スタイロフォーム製断熱パネルで日光を遮断
- 後部座席側面窓 白いカーテンで直射日光を遮断
- 荷室前方 白いカーテンで遮断
- 荷室後部ハッチの窓 何もしていないが、北向きなので直射日光は入ってこない。
測定方法
測定器
温湿度データロガー RC-4、RC-4HC 各1台
測定器の位置
一つは冷蔵庫の中、一つは冷蔵庫の横の床の上(但し、冷蔵庫のファンの風が当たらない場所)に設置。また、測定器が直接冷蔵庫や車内の床に触れないよう、プラスチックの箱を置いてその上に設置。
測定インターバル
5分
その他
冷蔵庫の中には測定器以外は何も入っていません。
ハイエースの塗装は白です。
テスト結果
冷蔵庫のダイヤルを1,2,5とした場合のそれぞれの温度変化を測定しました。
ダイヤル1
冷蔵庫起動時の庫外温度は40℃でしたが、一気に10℃あたりまで冷えました。トータル20時間ほど運転を続けました。翌日庫外温度が40℃に近づくと、庫内温度もつられて10℃を若干越えるあたりまで上昇しました。
ちなみに、グラフの右端で庫内温度が一気に上昇しているのは、ここで電源を切っているためです。(にしても、この冷えっぷりは立派です)
ダイヤル2
4~5℃あたりまで一気に冷えて、そのあとは夜間で庫外温度が下がったこともあり、じわじわと0℃近くまで冷えました。
ダイヤル5
庫外温度35℃~30℃程度の時
夕方とはいえ、車内(庫外)は35℃近くとかなり暑かったのですが、氷点下まで一気に冷やすパワーは素晴らしい。わずか一時間強で-10℃に到達しました。
グラフの右側で庫内温度が上昇しているのは、冷蔵庫の電源を切ったためです。
庫外温度40℃の時
10℃までは一気に冷えますが、その後は庫外温度が33℃程度まで下がってきていた前項と比べると冷却速度は遅くなっており、一気に-10℃以下、という下がり方ではありません。
結論
- 冷蔵庫を食車日光の当たらない場所に置けば、車内温度40℃でも冷蔵温度の維持は十分可能。
- 冷蔵庫本体が庫外温度と同等に温まっていた場合、それを冷やすのに一時間程度を要する。
- 庫外温度(=車内温度)が40℃程度の場合、
ダイヤル1なら10℃を維持可能
ダイヤル2なら5℃を維持可能
ダイヤル5なら-10℃を維持可能
- 庫内温度が40℃の場合、スイッチを切ると、蓋を開けなくても2時間ほどで庫内温度はほぼ庫外温度まで上昇するので、電源を切って保冷箱の代わりに使おう、という試みは危険です。
なお、本テストはグラスファイバーによる断熱処理を施した車内で行っているため、庫外温度の上昇が抑えられているものと思われます。参考にされる場合は車内温度の更なる上昇と冷蔵庫への直射日光に十分ご注意ください。
また、本テストは冷蔵庫が空っぽの状態で実施していますので、食料品を入れた場合には冷却速度は本テスト結果より遙かに遅くなるものと思われます。取説にもあるとおり、あらかじめ冷蔵庫を空運転で冷やした上で冷えた食品を入れるようお願いします。
おことわり
- 本テストは、わたしが個人的に実施したものであり、製造者である澤藤電機、及びその関連団体は一切関与しておりません。
- 本テストはわたしが所有する個体をわたしが所有する車両でテストした場合のデータであり、それが他の個体、他の車両で再現することを保証するものではありません。
- 本テストの結果を参考にされる場合、あくまで自己責任にてお願い致します。損害などが発生しても、当方では責任を負えません。
以上、ご覧いただき、ありがとうございます。
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