先日はポータブル電源、PowerArQ2で電気毛布を何時間使えるかテストした結果を御覧いただきました。
個人的には電気製品で災害時に一番欲しいのはスマホ、次は冷蔵庫だと思っています。将来的には冷蔵庫を二三日運転できるだけの電力を何らかの形で蓄えたいと考えているので、今回はそのためのデータ収集も兼ね、PowerArQ2で冷蔵庫が何時間運転できるかをテストしてみました。
目次
テスト内容
満充電にしたポータブル電源に、先日も使用した簡易電力計を挟んで冷蔵庫をつなぎ、何時間運転できるかをテストしました。
この間、下記データを記録しました。
- 消費電力(W)
- 消費電力量(kWh)
- この時のポータブル電源の電力残量表示(点灯しているセグメントの数)
テスト状況
ポータブル電源のAC100Vプラグに簡易電力計をつなぎ、さらに冷蔵庫を接続しました。
冷蔵庫とポータブル電源の位置関係はご覧のとおりです。
記録したのは下記の値です。
テスト条件
- テスト中の室温は19℃でほぼ一定
- 冷蔵庫は普通どおりに使用したので、昼食準備の際などに扉を開閉しています。
- 冷蔵庫は「省エネ」モードで運転しています。(普段どおりの設定)
- 買い物には行っておらず、外から常温の食料、飲料などの投入はありませんでした。
テスト結果
朝の7時過ぎにポータブル電源を接続し、午後5時半頃まで運転することができました。その間、約10時間です。
この経緯を表で示すと、下記のとおりです。
正確には、10時間26分の間冷蔵庫を運転することができました。
この間の消費電力量は0.42kWh
これは、先日の電気毛布の時の結果とほぼ同じで非常に優秀な値だと思います。
この消費電力量と経過時間の関係をグラフにしてみました。
時刻が13:49、及び13:56の時には消費電力が増えたため、ポータブル電源の冷却ファンが回っていました。文末に掲載した仕様表によると、定格消費電力は、電動機が110W、電熱装置が129Wとありますので、恐らくこのときは電熱装置が働いていたものと思われます。(電動機の音はしていませんでした)
考察
冷蔵庫を3日運転するのに必要な電力量は?
今回の消費電力量は、0.42kWh なので、これを 10時間26分 で割ると、
1時間あたりの消費電力量は、 0.04025 kWh
一日あたりに換算すると 0.04025✕24=0.966kWh
(この値は後述の新JIS規格に基づく測定値とほぼ一致しています)
よって、例えば三日冷蔵庫を運転しようとすると、冬でも 3kWhの電力量が必要ということになります。
夏場、エアコンの切れた室内となると、少なくともこの倍くらいは必要というところでしょうか?
まとめ
- 外気温19℃の場合、ポータブル電源PowerArQ2 で冷蔵庫が約10時間運転できた
- この時の消費電力量は、1日あたり約1kWhで、2015年6月に改定された新JIS規格による測定値とほぼ一致している
- 従って、夏場に冷蔵庫を3日間運転するためには、余裕を見て6kWh程度は必要になると思われる(要追加テスト)
使用機材
冷蔵庫
5年前に購入した東芝の冷蔵庫 GR-F62FX です。
東芝のHPより引用
仕様を見ると、年間電力消費量は250kWhとあります。つまり、1日あたりに直すと、250/365=約0.685 kWhとなります。ただし、この値は2005年制定の旧JIS規格に基づいており、2015年制定の現在のJIS規格(文中では、便宜上新JIS規格と呼んでいます)で測定すると消費電力がかなり多めになります。
東芝のHPより引用
こちらに、東芝冷蔵庫の消費電力について、旧JIS規格と新JIS規格、それぞれの値が記載されていますが、新JIS規格での測定値は概ね旧JIS規格準の1.6倍くらいになっています。従って、拙宅の冷蔵庫の消費電力は新JIS規格ですと一日あたり0.68✕1.6=1.088=約1kWh程度になると思われます。
東芝のHPより引用
以上、読んでくださりありがとうございます。