ハイエースソーラーシステムにDIYで走行充電追加

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OVERVIEW: You’ll find how to modify solar system to enable charging by vehicle’s alternator.

目次

冬の発電不足に備えたい

昨冬は、北海道で2018年2月28日から3月3日朝まで三泊四日の間、雪に閉じ込められました。その間ずっと曇天か雪で太陽光発電が止まったため、電気毛布の使用を我慢して電力不足を乗り切りました。

その後、走行充電装置を取り付けようといろいろと調べたのですが、ハイエースのバッテリー電圧が12Vなのに対し、私が取り付けたソーラーシステムの電圧は24Vのため、サブバッテリーを充電するためにはハイエースから取った12Vの電気を24Vに昇圧しなければならないことがわかりました。

12Vバッテリーによる24V系システムの走行充電はそう簡単ではない

一般的には走行充電にはアイソレーターを使いますが、車から取った12Vの電気で24V系のサブバッテリーが充電できるものは見つけられませんでした。12Vを24Vに昇圧する基盤は売っていましたが、それを使って走行充電装置を作る力量もなし。

そうなると、オプションで取り付けた100Vコンセントから電気を取って市販のバッテリー充電器につなげるしかなさそうです。

面白いもの発見

そう考えてこの件はしばらく放置してあったのですが、いつもお世話になっている蓄電システム.com で面白いものを見つけました。

MPPTチャージコントローラー MPT-7210A ※DC-DCブーストチャージャー機能付き

これは、昇圧機能付きのチャージコントローラーです。

これの本来の機能は太陽光パネルから入った電流をバッテリー充電に使えるように電流、電圧を調整することですが、この太陽光パネルの側にハイエースのバッテリーをつなげばサブバッテリーが充電できるのではないかと考えました。

2020/03/25追記

蓄電システム.comはすでに品切れになっています。
アリババを見たら、40ドル弱で売っていました。

接続方法検討

ソーラーからの充電と走行充電を同時に行うとバッテリーが痛むので、トグルスイッチFでどちらかを選ぶようにしました。

バッテリーは12V×2個直列が二系統あり、こちらは従来からトグルスイッチDによる切替式になっています。

下記ブロック図の、赤い部分が今回追加となる部分です。

ソーラーシステムブロック図

実際の図面は下記の通りです。

ピンクの四角で囲んだ部分が今回追加する部分です。

なお、これ以降は、

ハイエースの車載バッテリーはハイエースのバッテリー

ソーラーシステムのバッテリーは、サブバッテリー1,サブバッテリー2と記載します。

ソーラーシステム回路図

手配した部品

チャージコントローラー

先ほどご紹介したこちらを使いました。

MPPTチャージコントローラー MPT-7210A ※DC-DCブーストチャージャー機能付き

リレー付き電源ケーブル

エーモン AODEA(オーディア) リレー付電源ケーブル 30A MAX 2049

ハイエースのバッテリーとチャージコントローラーを直接つないでしまうとハイエースのバッテリーが上がる恐れがあるので、エンジンがかかっているときだけサブバッテリー側に電気が流れるよう、リレー付き電源ケーブルを使用しました。

アマゾンHPより引用

これは、ACC(アクセサリー)電源がオンの時だけ車載バッテリーからの電気が流れるようにできるというものです。

最初はリレー、バッ直ケーブル、ヒューズなどを別々に買おうとしていたのですが、それらがすべて一体になった本品を発見。作業の手間がかなり減りました。

この製品の使い方については、(これそのものの説明ではありませんが)下記のページが参考になります。

 バッ直のやり方(バッテリー直の電源取り出し方法)

フリータイプヒューズ電源

車のヒューズボックスから電力を取り出すための部品です。

これはMonotaROが最安でした

MonotaRO HPより引用

トグルスイッチ

いつもと同じ型番の、二極双投(2c)のトグルスイッチです。この時点で3個目です。

今回の回路は5A以下なので大電流用でなくてもよいのですが、取り付け部分のネジサイズなどがわかっているため同じものを購入しました。

大電流用小型トグルスイッチ Sシリーズ

MonotaRO HPより引用

端子台

これも、前回と同じものを購入。

組端子台 T10


MonotaRO HPより引用

電源部部品取り付け

アクセサリー電源がオンの時だけハイエースのバッテリーから電力が供給されるようにします。

図の青線で囲んだ部分です。

ソーラーシステム回路図(一部拡大)

リレー付き電源ケーブルパッケージ裏に描かれた図です。上記図面各部品のコネクターが下図のどれに当たるのかを追記しました。

アマゾンHPより引用

使用部品

フリータイプヒューズ電源(図の143番)

リレー付き電源ケーブル(図の144番)

作業内容

フリータイプヒューズ電源(図の143番)をアクセサリー電源につなぐ

この作業は、図のオレンジ色の四角で囲んだ部分です。

ソーラーシステム回路図(一部拡大)

フリータイプヒューズ電源は下記のような形をしており、(143)-1をヒューズボックスのアクセサリー電源につなぐと(143)-2からハイエースのバッテリー電圧が出力されます。もちろんこれで電装品を動かすこともできるのですが、今回はリレー付き電源ケーブルのリレーを作動させる信号として使用します。ヒューズボックスは、(143)-1を差し込む場所に入っていたヒューズを差し込みます。こうすることで、(143)-1を差し込んだ回路を、同じヒューズで保護することができます。

助手席カバーを開けます。
ヒューズボックスは黄色の矢印の位置です。(ちなみに、この写真ではすでにヒューズボックスが開けられていますが・・・。)

アクセサリー電源と連動しているRADIOをフリータイプヒューズ電源の接続先にします。 

引き抜いたヒューズをフリータイプヒューズ電源のヒューズボックスに取り付けます。

ヒューズを抜いたコネクターの電圧がかかっている側の端子と(143)-1の電源側が一致するようにして(143)-1を引き抜いたヒューズの位置に差し込みます。

エンジンをかけた時に電圧がかかるかどうか確認します→下記の通り12Vの電圧がかかり、OKでした。

リレー付き電源ケーブル(図の144番)を取り付ける

この作業は、図のオレンジ色の四角で囲んだ部分です。

ソーラーシステム回路図(一部拡大)

先ほどご覧いただいたパッケージのイラストを再掲します。

この部品はリレーとヒューズに分かれており、ヒューズのコネクター、(144)-4をハイエースのバッテリーにつなぎます。

また、リレーは先ほどヒューズボックスのアクセサリー電源につないだフリータイプヒューズ電源(図の143番)と接続し、ここからの信号でリレーが作動します。

これにより、アクセサリー電源がオンになるとフリータイプヒューズ電源の(143)-2からリレーに信号が行き、(下図の黒い実線の矢印)リレーが作動してバッテリーに接続した(144)-4からの電流がチャージコントローラー2号に流れます。(黒い点線の矢印)

ソーラーシステム回路図(一部拡大)

作業前の状態。

作業は、まず万が一に備えてバッテリーのマイナスケーブルを外します。(念のためガムテープで車体に固定しました)

ハイエースバッテリーのプラス極のカバーを外します。

これが(144)-4の端子です。

(144)-4をハイエースバッテリーのプラス極に接続します。

バッテリーのマイナスケーブルを元通りつなぎます。

このあとエンジンをかけて(144)-1にバッテリー電圧が発生することを確認しました。

チャージコントローラーをつないで動作を確認する

端子(144)-1はギボシ端子のメスで、このままではチャージコントローラーにつなげません。そこで、これを切除し、丸形の裸圧着端子を取り付けてチャージコントローラー2号につなぎました。

エンジンをかけると、ご覧の通りチャージコントローラーのカラー液晶パネルが無事点灯しました。

配線作業

作業範囲は、下図の青い四角で囲んだ部分です。端子台周りの配線作業。

ソーラーシステム回路図(一部拡大)

写真の左がわにあるワイヤーネットを追加。

チャージコントローラー、端子台、トグルスイッチ、そしてリレーに配線してワイヤーネットに取り付けました。

動作チェック

机上では当たり前にわかっていると思うことが、作業を始めると頭からぶっ飛んでしまうので、作業手順書兼チェックシートを作って下記の通り記入しながら作業を進めました。

なお、チェックシートの手順28以降の充電テストはこのときは行っていません。

MPPTチャージコントローラー MPT-7210Aの使い方

このチャージコントローラーは取説だけでは何もわからず、あちこち探し回りました。

再起動時に充電されない件

こちらのサイトに操作方法が書かれていますが、この手順の9番がポイントです。ここにあるとおりに設定しないとエンジンを切ってまた始動したときに充電が行われません。

昇圧型MPPTコントローラMPT-7210Aつかえます!!

バッテリーをつないでも作動しない件

普通のチャージコントローラーは充電の対象となるバッテリーをつなぐとその電力で起動しますが、本品はソーラーパネル側からの給電で作動します。従って、バッテリーをつながなくてもソーラー側からの給電があれば作動します。

参考になる動画

いずれも英語ですが、下記の動画が参考になります。
残念ながらこのチャージコントローラーを扱った日本語の動画は見当たりませんでした。

Review: The world’s cheapest 10A MPPT solar charge controller? Ming He MPT-7210A

Ming He MPT-7210A MPPT Solar Charge Controller #1

Ming He MPT-7210A MPPT Solar Charge Controller #2

かかった費用

チャージコントローラー 8,730円 蓄電システム.com
トグルスイッチ 1,825円 MonotaRO
端子台 636円 MonotaRO
フリータイプヒューズ電源 431円 MonotaRO
リレー付き電源ケーブル 1,954円 amazon
その他、圧着端子、ケーブル等 数百円相当
合計 約14,000円

走行充電テスト

まだきちんとしたデータはとれていませんが、年末に富山~岐阜を旅行した際、走行充電を行って充電ができることは確認しました。また、大雪で発電ができずバッテリーの残りがわずかとなった際、アイドリングでチャージコントローラー2号経由の給電を行い、湯が沸かせることも確認しました。

以上、読んでくださりありがとうございます。

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