キハ52の国鉄色で魅力倍増だった大糸北線
大糸線の非電化区間は、冬の寒い時期に何度も訪れました。
わたしは気に入った場所ができると何度も何度もそこへいって同じアングルから写真を撮ることが多いです。毎回、そうかわり映えしないのですが、同じアングルの同じような写真でも、その時の天候によって写真の雰囲気はかなり変わってくるため、自分では良い写真が撮れた、と勝手に満足していることが多いです。
わたしが鉄道写真を撮り始めたのは2003年ごろで、年齢はすでに40を過ぎていました。学生時代は鉄道研究会に入ってはいましたが、もっぱら鉄道旅行をして過ごしており、撮影機材を買うお金もなかったので写真撮影には手を出せませんでした。それが何故か40を過ぎてから突然目覚めてしまいました。フィルムと紙の写真が整理できず、溜め込んで放置してあったため、面倒な写真の整理から開放してくれるデジタルカメラに飛びついた格好です。
これは撮影を始めた頃の写真です。
デジタル一眼は高価だったので、税込み9万円ほどする高価なレンズ一体型のデジカメを買って撮影していました。
(9万円あれば、今なら入門機のダブルズーム付きが軽く買えてしまいますね)
(長野県北安曇郡小谷村北小谷、2003年1月撮影)
しかし、何回か撮影に行くうちに、連続撮影枚数がたったの四枚、動体撮影ができない上に、置きピンもできない、ノイズが多い、などの不満が多く、程なくして発売になったキヤノンの10Dを、税込み18万円ほどで購入しました。ちなみに、この価格はボディのみです。レンズ2本と合わせて32万円(高い…)
測距点が7つしかないため、AIサーボを使った動体撮影では被写体から測距点が外れてしまうことも多く信頼性は今ひとつでしたが、それでも私が使っていたレンズ一体型デジカメとは別次元の撮影能力でした。
それからしばらく、大糸線はご無沙汰だったのですが、キハ52が国鉄色に塗り替えられてから頻繁に撮影に来るようになりました。
私は子供の頃は電車を使って生活していたため、大糸線を訪ねる以前はほとんどキハ20系との接触はありませんでした。従って、実物を見ても懐かしい、という気持ちはあまりわかなかったのですが、それでも雪をかぶった山をバックに走るキハ52は日本の風景にとてもマッチした形と色だなあ、と思った次第です。
(新潟県糸魚川市大野、2009年2月撮影)
雪景色に映える赤い車体
この撮影ポイントは、真島満秀さんが書かれた撮影地ガイドに載っていたと記憶していますが、本当に何度も来ました。当時は3台のキハ52が全部違う色に塗られて走っていましたが、季節ごとに全色撮影してみたり。まあしかし、わたしは雪景色にはこの赤+クリーム色が一番あっているように思いました。
(長野県北安曇郡小谷村中小谷丙、2009年2月撮影)
青+クリーム色ですと、雪景色に埋もれてしまいそうですが、赤+クリーム色は、遠目でもしっかり目立ちます。
例えばこれ。列車が景色と同化しかけています。
(長野県北安曇郡小谷村北小谷、2009年2月撮影)
一方、赤+クリーム色はとても目立ちます。
(長野県北安曇郡小谷村中小谷丙、2009年2月撮影)
この写真なんて、青+クリーム色だと列車がどこにいるのか全然わからないと思います。
(新潟県糸魚川市中之坊、2007年1月撮影)
そして、空が青いと、赤い色が引き立ちますね。
(長野県北安曇郡小谷村中小谷丙、2009年2月撮影)
この写真を撮ったときは、大雪で列車が二時間くらい遅れてやってきたのですが、白い雪の中鮮やかな赤の車体が映えて、雪の中二時間待った甲斐がありました。
(長野県北安曇郡小谷村中小谷丙、2007年1月撮影)
これらの撮影地への行き方をまとめたこちらの記事もご覧ください。
以上、読んでくださり、ありがとうございます。