
前回の記事で、Googleマップによるデジタルロケハンについてご覧いただきました。
ほぼ5年ぶりの鉄道撮影となる今回の三江線行きにあたり、Googleマップで撮影地をデジタルロケハンしてその効果を確かめてみましたので、これを例にとってデジタルロケハンの方法とその効果をご説明します。
目次
1.信木駅近くの棚田
棚田はGoogleマップで簡単に発見することができます。9月の上旬であれば、稲が実って綺麗な写真が撮れるに違いありません。
(実際に現地へ行ってみると、場所によっては稲刈りが始まっていましたので、ギリギリセーフだった模様です。)

Googleマップ3Dで撮影できそうな場所を探す
Googleマップ3Dで見ると、こんな感じです。

撮れそうな位置としては、下記の3つが考えられました。
①対岸の道路上から
②棚田の上から
③棚田の対岸の山の上にある運動公園から
がしかし、①対岸の道路上からですと高度がないため、恐らく棚田はまともに見えないと思われます。また、③運動公園は、対岸が見下ろせる場所があるかどうかが分かりません。
ただ、平面図で見ると、運動公園から延びた小道がなにやら広場風の場所に繋がっており、可能性はありそうです。

そこで、まずは②棚田の上から撮れる場所に行き、ここが駄目なら運動公園に行ってみることにしました。
②棚田の上
結論から申し上げるとこちらはたどり着けませんでした。買って一ヶ月のハイエースで出掛けたため、いまだにその長さを持てあましており、途中で現れた「普通車がギリギリ通れる路肩にガードレールのない小道」を安全に通行できる自信がなかったのでここで断念。ここから目的地まで2キロ弱でしたので、歩けないこともなかったのですが、まずは③運動公園に行ってみることにしました。
③運動公園
運動公園に行くには国道375号線を2キロほど北上し、山を登ります。Googleマップにも写っている銀色のドームの脇まで車で行き、そこから小道を歩きます。Googleマップにある通り、展望広場風の場所があって、下界が見下ろせます。棚田を見下ろす角度もGoogleマップのイメージに近いです。
しかし、樹木の枝が邪魔をして綺麗に線路が見下ろせません。
そして、そこから少し戻った場所から比較的良いコンディションで棚田を見下ろすことができました。

場所は広いのですが、樹木を抜いて撮影できるエリアは狭く、定員2,3名、という感じでした。
どうでしょう。Googleマップのイメージにかなり近い写真が撮れたのではないでしょうか。
2.粕淵駅近くの鉄橋
三江線は江の川に沿って走るため、鉄橋が多いのですが、新しい区間はコンクリートの橋(これは鉄橋とは呼ばないのか?)で、あまり美しくありません。しかし、古くからある区間には風情のある鉄橋が多数。
なかでもこの粕淵駅近くの鉄橋は、上空からの眺めが魅力的。

古風な鉄橋であることが航空写真からもわかります。
3Dで見ると、バックの山も良い感じ。ちなみに、Googleマップ3Dは、橋は下の写真のように水面にぺたりと落ちたように描写されます。

鉄橋の隣には自動車用の橋がありますので、ここから撮影することにします。
で、実際に撮影したのが下の写真。

これも、Googleマップのイメージとほぼドンピシャ。
3.香淀駅近くの鉄橋
鉄橋ばかりですみません。Googleマップで見ると、これも良さそう。

実際には、上流側に自動車用の橋があり、これが角度によっては被るのですが、これはGoogleマップでもはっきりわかります。事前に認識できていなかったのは、わたしの注意力不足です。
そこで、この橋が入らないような位置から撮影しました。

4.そのほか
山、川、橋などの大きな構造物と直接関連せず川と列車が美しく撮れるポイントはGoogleマップではよくわかりませんでした。というのも、Googleマップでは見下ろす角度をあまり水平にできないので地上で肉眼で見たような視点で見ることは難しく、「ああ、川沿いを線路が走っているなあ」ということは分かるのですが、これが対岸からどう見えるのかはさっぱり分かりません。
江の川カヌー公園さくぎ近く
ここはカヌー公園に車を停めて歩いて行けるので便利です。現地で見ると「お!」とすぐ分かるのですが、Googleマップではこの場所だけが目立って見えるということはまったくありません。実際に線路が綺麗に見えるのはこの部分だけなのに、それもGoogleマップでは分かりません。

撮影した写真がこちら。

5.Googleマップ活用法
今回使ってみて分かったのは、
・山、川、鉄橋などが絡む(=航空写真上から解読可能な)撮影地、S字などの撮影向きな線形などはその善し悪しはだいたい分かる
・俯瞰撮影が可能な撮影地、そしてそこから見えるエリアもある程度判断可能
・当然ながらGoogleマップではわからず、現地に行って初めて分かる撮影地も多数。
ということです。
Googleマップを使って、少なくともここは大丈夫、という場所を2つ3つ確保しておけば撮影場所探しをしているうちに列車が言ってしまった、という事態は避けられると思います。
以上、読んでくださり、ありがとうございます。