極寒北海道でディープサイクルバッテリーの持ち具合を試す

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目次

極寒でのディープサイクルバッテリーのもちはどうなる?

今年の冬に北海道に出掛けた際は、インバーターに積算電力計を繋ぎ、使用した電力を測定しました。今回は、このデータを元に、冬の北海道でディープサイクルバッテリーがどれくらいもつのか計算してみました。

使用した積算電力計はこちら。           

節電 エコチェッカー ET30D

積算電力の他、そのときに使用している電力、通算通電時間なども表示させることができます。

なお、DCDCコンバーターが供給する12V電源を使用するとこの積算電力計でカウントできないため、今回の旅行中12V電源は使用しないようにしました。

電源として使用したバッテリー

過去の記事、ハイエースソーラーサブバッテリーを4個に増やすのに一苦労でご紹介したとおり、ACDelcoM27MFを2個直列に繋いで使っています。

そして、2個直列のバッテリーを、バッテリー1、バッテリー2の2系統持ち、これらを切り替えて使用できます。(つまり、合計4個のバッテリーを積んでいます)

旅行中に使用した電気製品

電気ポット

こちらの記事(車中泊の車載バッテリーで使いやすい低消費電力の電気ポット)でご紹介した電気ポットです。消費電力は430W

コーヒーとカップラーメンのために一日1~2回、500cc~1リットルの湯を沸かしました。

電気毛布

過去記事の断熱テストで度々登場しているこちらの敷き毛布です。(コイズミ 電気掛・敷毛布 室温センサー付 188×130cm KDK-6051)

消費電力は、最大で60Wです。

断熱テストでは2枚同時に使うこともありましたが、今回の旅行では1枚しか使っていません。

バッテリーチャージャー

モバイルバッテリーやLEDライトを充電します。Anker 40W 5ポート USB急速充電器を使用しました。消費電力は、最低で15W程度、充電するバッテリーが増えればその分、大きくなります。

冷蔵庫

冬の北海道では車内がフリーザー並みに冷えるため、冷蔵庫は持っていきませんでした

測定内容

各電気機器のオンオフの時刻、及びその時の積算電力を記録しました。

また、バッテリーの電圧も随時チェックしました。

バッテリーは、バッテリー1を使っている間はバッテリー2を充電、バッテリー2を使っている間はバッテリー1を充電するようにしました。これにより、測定の対象となるバッテリーは充電されずにひたすら使われるだけ、という状況を作り出しています。

測定結果

バッテリーを使い切るまでの積算電力の測定を3回行いました。水色と赤の線のペアが3つ描かれていますが、これらはそれぞれの測定の結果を示しています。

縦軸電圧電力

横軸は電気機器の使用開始、使用終了などのイベントの番号 です。従って、隣り合うイベントでも、時間的には寝る前と翌朝、という感じで時間的に離れている場合もあります。

水色のドット(■、●)はバッテリーの電圧、赤のドット(■、▲、◆)は積算電力を示し、それぞれの最初の値と最後の値を結んだのが水色と赤の線です。

水色のドットがあちこちに散らばっていますが、これは電気製品を使用した直後の電圧のデータも含まれているためです。特に電気ポットは消費電力が大きいので使用中、および使用直後は電圧が大きく低下し、しばらくすると回復します。

測定データのまとめ

これを表にまとめると下記の通りです。

1行目から6行目までが測定によって得られたデータで、7行目以降はこれらからわたしが計算でひねり出した数字です。

表の列方向のデータ1,データ2、データ3は、前項で述べた、3回の測定のそれぞれに相当します。

データから分かること

データ2,データ3ではポット率が高い

当初は寒くて電気毛布を夜中つけっぱなしにしていたのですが、連日雪で充電がままならないため、以降は電気毛布の使用を必要最小限に絞りました。従って、データ2、データ3では電気毛布の消費電力が減ったためにポットの消費電力が全体に占める比率(表の9行目、ポット率)が高くなっています

ポット率が高いほど取り出せる電力は小さくなる

ディープサイクルバッテリーは満充電で電圧が13V、これが完全に放電すると10.5Vに低下します。(今回のテストではバッテリーを2個直列にしているのでそれぞれ26V21Vになります)

この電圧の低下は消費電力量に比例するとされていますので、表の7行目で消費電力/電圧の低下量の比率を出してみました。この値が大きいほど、バッテリーが満タンから空になるまでにバッテリーから取り出せる電力が大きいことになります。そして、ポット率が高いほどこの消費電力/電圧の低下量の値は小さくなっています。

極寒でも消費電力の少ない電気製品のみを使っていると、20時間率容量に近い量の電力を取り出すことができる

それぞれの条件におけるバッテリーから取り出せる容量も計算してみました。(表の8行目)

今回テストしたバッテリーの20時間率容量は、105Ahですので、データ1の場合はほぼそれに近い量の電力が取り出せることが分かります。

一方、データ2データ3の場合は、恐らくはポット率が高いためにバッテリーから取り出せる容量も、少なくなっています。

(かなり強引な)まとめ

20時間率容量を設定する際の電流(容量の1/20の電流)のさらに半分(M27MFなら、2.5A、電力にするとバッテリー1個の場合、30W)程度の機器を使う分には、厳冬でも仕様値に近い容量が取り出せる。

20時間率容量を設定する際の電流の4倍(M27MFなら、20A、電力にするとバッテリー1個の場合、240W)程度の機器が消費する電力の比率(ポット率)が上がると、取り出せる容量は急激に減少する。その減少の度合いは、下記のグラフの通り。ポット率50%で、取り出せる容量はほぼ半減すると推測される。

測定ポイントが3つしか無いのにこの線の引き方はかなり乱暴ですが、あくまで仮説と言うことでご容赦ください。

実際の使い勝手

厳冬の湯沸かしには十分なバッテリー残量が必要

この旅行中には、バッテリーの電力が減少して電圧が24V程度の時に湯を沸かすと、電圧は22V以下にまで一気に下がるようになりました。湯を沸かし終わってバッテリーを休ませておけば電圧はもちろんある程度戻るのですが、追加の充電をせずに再び厳冬で使用すると、また同様に電圧が下がり、インバーターから電圧降下の警告音が発せられることに。

しばらく放置して電圧が24V程度に戻ったとしても、こうなるとこれ以上使うのは難しくなります。

それでも、残量さえあれば外気温が-10℃でも湯は沸かせる

3月7日の朝は、遠軽に向かう国道の駐車帯で車中泊したのですが、朝5時前に外気温が-10℃、車内が-8℃程度でしたが、バッテリーはしっかり働いてくれて湯は沸きました。

このときはどれくらい寒かったかというと、車内で歯磨きをして、口をゆすごうと水筒のコップに水を入れて外に出て、数秒後にコップを見たらこうなっていたくらいの寒さです。(なかなかわたしの住む西日本では体験できない寒さ)

さすが定評のあるACDelcoのディープサイクルバッテリーですね。

水が凍って口がゆすげません。

参考にさせて頂いた記事

バッテリー容量、電圧と残量の関係などについて詳述されています。

以上、読んでくださり、ありがとうございます。

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