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頻繁にヘタるバッテリー
以前の記事で、サブバッテリーが約一年でヘタってしまったことを報告しました。しかし、この判断は間違っていたようです。
と申しますのは、この記事にあるバッテリーの不調は昨年10月下旬。このときはよく調べずにバッテリーを交換しました。
その後、昨年末からの正月前後の旅行中にも同様の症状が出ました。さすがにそう続けてバッテリーがへたるのはおかしい。そこで、バッテリーチェッカーとバッテリー充電器を購入して状況をきっちりと調べることにしました。
購入した機材
バッテリー診断機
バッテリーの内部抵抗を測定する装置です。内部抵抗が大きくなると、大電流を流した時に電圧が下がってエンジンなどが起動できなくなります。湯沸かしのときも20A程度の電流が流れるので、内部抵抗が高いと同様の現象が起きます。しかし、内部抵抗値は0.01Ωレベルの微小な抵抗なので普通のテスターでは測定できず、こういった装置が必要となります。
バッテリー充電器
当初はサブバッテリーユーザーから熱い支持を受けている下記の購入を考えていました。
ACDelco(エーシーデルコ) 新世代全自動バッテリー充電器 12V専用 AD-0007
ところがよく調べてみるとこのバッテリー充電器はOMEGA PROというメーカーの OP-0007 という製品〔現在は廃盤)のOEMでした。
しかもこのあと新製品が出ています。最高出力はOP-007が40Aに対してこちらは15Aと低いですが、わたしはせいぜい10Aあれば十分なのでこちらを購入しました。それ以外の機能は同等で、小型化されて価格も安くなっています。
バッテリーを充電してチェックする(2019年1月)
バッテリーを充電する
まずは取り付けたばかりのAC100V対応スイッチング電源を使ってバッテリーをしっかり充電しました。
充電をする前にはバッテリーのインジケーターが赤(要充電)だったのですが、これはいくら充電しても変わりません。(4個とも同様)
バッテリー診断機でバッテリーをチェック
そこで、まずは前項のバッテリー診断機を購入してバッテリーの状況をチェックしたところ、いずれのバッテリーも内部抵抗は低く、健全度は90%~100%で、判定は3段階の最上位、Good Battery でした。
湯を沸かしてみる
そこで、バッテリー充電器を手配しつつ満充電のはずのサブバッテリーで湯沸かしをして電圧の推移を記録しました。
その結果、並列で2系列あるBAT1,BAT2 いずれも湯沸かしを始めると電圧が3~3.5Vも下がることがわかりました。(これまでは2V程度で収まっていた)
インバーターは電圧が21Vまで下がると安全装置が働いて切れてしまうので、電圧の下がりが大きくなると満充電から湯沸かし可能な回数が大きく減ってしまいます。
下記のグラフを見ると、湯沸かし前に25V前後あった電圧が、湯沸かし中は21~22Vに下がっているのがわかります。インバーターが作動しなくなる21Vまであっという間に下がってしまいます。
バッテリーの状況は?
以上のテスト、測定結果から、以下のように考えました。
- バッテリーに異常はない
- 大電流で電圧が大きく下がることから、大電流の経路のどこかに抵抗が発生している
そこで、下記のような対策を打つことにしました。
- トグルスイッチが劣化して抵抗が増しているかもしれないので、抵抗が低いスイッチに交換する
- 大電流の経路をチェックして配線や端子台の締結状態に異常がないことを確認する
電圧降下対策(2019年2月)
使用した部品
レバースイッチ
トグルスイッチを交換しようと代替品を探しましたが、直流の大電流に対応した二極双投のトグルスイッチは見つかりません。そこで、直流に使えるとの記載は無いものの、いかにも抵抗が低そうなレバースイッチを買ってみました。
定格はAC250V、15Aですが、実際には直流24Vが20A程度流れますのでどう見ても能力不足。危ない使い方になりそうですが代わりがないのでやむなく購入。
バッテリーターミナル
銅メッキがゴージャスなバッテリーターミナルですが、意外に安い。2セット購入。
部品の取り付け
このレバースイッチを直流大電流のオンオフに使うと、突入時の大電流でたちまち接点がやられてしまうと思われました。そこで、レバースイッチの破損に備え、スイッチの交換ではなく従来のスイッチを残したままで、これに並列に取り付けてみました。
バッテリーターミナルを取り付けて、バッテリーに直接つないでいた配線をバッテリーターミナル経由の接続に変更。
配線と端子台のチェック
バッテリーからインバーターに至る、24V×20Aが流れる経路をチェックしたところ、端子台のネジが緩んで発熱し、被覆が溶けている箇所を発見。この配線自体は電圧計に至るものなので発熱しませんが、24V×20Aが流れる配線と重ねて端子台に取り付けていたため、こちらの発熱が伝わって被覆が溶けたものと思われます。怖い怖い
被覆が溶けた配線がつながっていた、「5」と書いてあるあたりが微妙に茶色くなっているのがわかりますか?
作業の結果
配線・端子台
前項の通り、一部焼けている部分がありました。また、これ以外にも端子台のネジは緩んでいる箇所がいくつかありましたので増し締めしました。
トグルスイッチ 問題なし
配線のチェックと増し締めで状況は改善したため、トグルスイッチの抵抗は問題なかったようです。レバースイッチでも湯はわかせますが、スイッチのオンオフ時にはパチッと火花が出ます。数回使っただけでご覧の通り、接点が焼けてしまいました。やはり、交流用を直流に使ってはいけませんね。
以上により、湯沸かしによる電圧降下は従来どおり2V程度に収まるようになりました。
再び電圧降下発生(2019年9月)
芸備線の撮影にでかけた際、湯を沸かそうとしたら電圧降下が3V程度に拡大しているのに気づきました。
前回同様にバッテリーの健全度、及び配線と端子台のネジをチェックしたところ、端子台の複数のネジが緩んでおり、これを締め直したら電圧降下は2V程度に収まりました。
まとめ
- ハイエースは振動が激しいため、私の作ったソーラー機器は宙吊りの状態で揺さぶられ、ネジが緩みやすい。
- 従い、少なくとも3ヶ月に一回はネジの緩みをチェックし、増し締めする必要あり。
みなさんも、大電流で電圧降下が大きくなったと感じられたら、端子台のネジを増し締めすると良くなるかもしれません。
なお、冒頭で申し上げましたが、以前の記事で報告したバッテリーの不調、実際はこのときもバッテリーの問題ではなく配線が緩んでいたためと思われます。使えるバッテリーを捨ててしまったようで、もったいないことをしました。(今となっては確認の方法がありませんが)
以上、読んでくださりありがとうございます。
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