ハイエースサブバッテリーをリチウムイオン化

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ディープサイクルバッテリー4個全てが要交換に!

長い間お世話になっていたACDelcoのディープサイクルバッテリーですが、昨年(2021年)1月から2月にかけて大糸線や只見線に出掛けた際にずいぶんと容量が小さくなっている感じがしました。そこで2021年2月にベッドキットの床板を上げてバッテリーチェッカーで久しぶりにチェックしたところ4つ全てが劣化して要交換の判定でした。バッテリーチャージャーでメンテナンス充電をやっても改善せず。

今更ディープサイクルバッテリーを4個買い直すのもいかがなものかと思い、調べてみるとサブバッテリーにリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを使っているという方がちらほらおられます。その中でも特に参考になったのがこちらのサイトです。

こちらの管理人さんはもともとショービジネスに携わっておられたとのことですが、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーの特性や施工に関するまとめ方が素晴らしく、非常に参考になりました。

技術的な話はこちらの記事をご覧いただき、本記事ではわたしが導入したリン酸鉄リチウムイオンバッテリーの型番や仕様のご紹介をメインに記述致します。

配線図

バッテリーは自作と既製品の2系統

2021年5月から6月にかけて導入したリン酸鉄リチウムイオンバッテリーは、

  • アリババで購入した生セル(320Ah)とBMSを組み合わせて作ったもの (図の BAT1)
  • Renogyの100Ah スマートリン酸リチウムイオンバッテリー2個を並列に繋いだもの (図の BAT2)

の2系統があり、ロータリースイッチで切り替えて使います。

ただ、この冬はコロナを避けるため旅行には行きませんでしたのでこの2系統をフルに活用しなければならない状況にはまだ遭遇していません。

また、ディープサイクルバッテリーは24V系の回路でしたが、リチウム化後は12V系に変更しました。

あわせてインバーター、太陽光パネル、充電器などほぼ全ての機器を交換しました。そのまま使っているのは端子台の一部とブレーカーくらいでしょうか。(太陽光パネルは、図では2枚と記載がありますが、このあと1枚加えて計3枚設置しました)

リチウムイオンバッテリー回路図

24V系をやめて12V系に変更した理由

(諸説あるようですが)ディープサイクルバッテリーの並列接続はあまりよろしくないと聞いており、そうなると直列に繋いで容量を確保するしかありません。一方リチウムイオンバッテリーは単独でも十分な容量を持っていますし、人気のRenogy製品は直列接続禁止で並列はOK。そしてこちらも今人気のRenogy走行充電器は12V系にのみ対応しています。

よってわたしもあっさりと12V系に乗り換えることにしました。

生セル自作か、既製品か?

わたしがリチウムイオンバッテリーを導入した一年前は生セル自作も割安感があったのですが、今はRenogyのほか、より安価で信頼できそうなブランドからの既製品も増えていますので、敢えて生セルから組み立てるメリットは薄いと思います。BMSの設定も面倒ですし。

バッテリー1 (図の BAT1)

生セル

アリババで下記の280Ah生セル4個を注文したのですが、一ヶ月以上経ってもまだ出荷されない。しびれを切らせて問い合わせると、わたしが注文したバッテリーは品切れなので、その旨チャットでメッセージを送ってあると。

確かにショップと直接やりとりできるチャットルームがあるのですが、注文が終わって以降そんなところは見ていなかったのでまったく知らず。何でメールしてこないんだ、とは思いましたが、そう思うのはわたしが年寄りだからだと気を取り直しました。

アリババは注文後75日経過しても未着なら無条件でキャンセル可能なので、それを盾に少々ごねて価格アップなしに320Ahを送ってもらえることになりました。ただし、当時は貨物輸送が逼迫しており、到着までさらに一ヶ月以上かかりました。

リチウムイオンバッテリー生セル

BMS

生セルを制御するBMS(バッテリーマネジメントシステム)は、下記を購入。こちらは発注から一週間ほどで(バッテリーよりはるかに早く)到着しました。電子レンジが使えるよう、200Aを選択。このスマートBMSとただのBMSの違いは、Bluetoothユニットによるスマホでのデータ確認が可能かどうかです。(スマートはスマホで確認可能)

リチウムイオンバッテリー用BMS

バランサー

バランサーは直列に繋いだセル間の電圧がばらつかないよう調整する部品です。電圧がばらつくと特定のセルに負担がかかり、問題が起きるようです。

BMSにもバランサー機能はついているのですが、こちらは電圧の差がかなり大きくならないと作動しないようです。わたしの場合、このバランサーが働いているためかBMSのバランサーが作動しているのは一度も見たことがありません。

リチウムイオンバッテリー用バランサー

バッテリー2 (図のBAT2)

バッテリー

こちらはもともと家にあったもの(こちらの記事でご紹介しています)に同じものをもう1台買い足しました。これを並列接続して200Ah、12Vのバッテリーとして使っています。なお、現行品はマイナーチェンジされたため、これとの互換性はありません。(並列接続もできない)

Renogy リン酸鉄リチウムイオンバッテリー

Bluetoothユニット

これがあるとスマホでステータスの確認ができます。並列に繋いだバッテリーにこれを1個取り付けて使用します。

Renogy Bluetoothユニット BT-2

走行充電器

30Aと50Aのものがありますが、わたしが購入したのは50Aの機種です。走行充電器と太陽光パネル用のチャージコントローラーの両方の機能を持っています。走行時に50Aで充電できるというのは以前の1ケタアンペアの充電と比べると隔世の感があります。

そして、この50Aの充電は、走っているときはもちろんですがアイドリングでも変わらないのが素晴らしい。災害時に電力が不足しても、1時間のアイドリングでおおよそ600Whの電力が充電できるのですから。

Renogy  走行充電器 RBC50D1S-JP

なお、こちらにも前掲のBluetoothユニットを取り付けています。(兼用とは行かず、バッテリーと充電器それぞれに1個ずつ取り付けなくてはなりません)

太陽光パネル

これまで使っていたパネルは24V系用のものなので、Renogyの走行充電器には電圧が高すぎました。細工をして電圧を下げることも考えたのですが、現在のパネルが200Wなのに対し、Renogyの100Wパネルですとハイエースのキャリアに最大4台並びますので、思い切って買い替えることにしました。

Renogy 100W ソーラーパネル

結局3枚を並列接続し、300Wで使用しています。

ソーラーパネルをハイエースに乗せた状態

インバーター

可能なら台湾メーカーであるCOTEK、もしくはCOTEK製 電菱ブランドのインバーターが良かったのですが、いかんせん高すぎます。12v-2000wで15万円!

以前12V-600Wを購入したGIANDELのインバーターは周波数が55Hz固定ですが、電気毛布やIHコンロが使えることを確認していたのでこのメーカーの12V-2000Wを選定。COTEK以外で見るとややお値段が高めですが、これを車に積んでいるという方もネットで見掛けましたので保険料だと考えて購入しました。

Giandel 2000W インバーター

その他の部品

ケーブル

12Vで最大出力2000Wを使う場合、電流は

                   2000W/12=166A

166Aを流すのに必要な電線の太さを調べると、(若干ばらつきはありますが)38sqの太さ(外形9.1ミリ)が必要な模様。この太さになると非常に高価なので1m単位で切り売りをしてくれる楽天の ANGEL HAM SHOP JAPAN で購入しました。

バッテリーとインバーターの間は38sq、それ以外は22sqを使いました。ボディアースをうまく施工する自信がなくマイナスケーブルもこの太いものを使ったため、(そして配線ミスで一部再手配したのも手伝って)ケーブルだけで1万6千円くらいになりました。

がしかし、リチウムイオンバッテリーでスポットクーラーを長時間運転した際はこれでもかなり発熱しましたので、38sqを使った甲斐は十分あったと思います。

太陽ケーブルテック KIV 38sq

圧着工具

太いケーブルに端子を圧着したものを販売する業者さんもあるようですが、ケーブルの長さは実際のルートを這わせないとわかりません。そうなると自分で圧着端子を取り付けるため、圧着工具が必要になります。

わたしはこれを購入しました。非力なわたしでも何とか38sqの圧着端子を圧着することができました。

エビ 圧着工具 ak38a

ケーブルカッター

ディープサイクルバッテリーの時は一番太いケーブルが5.5sqでしたので圧着工具にストリッパー機能が付いていましたが、38sqとなるとケーブルカッターが必須です。これがないと、一回一回カッターで被覆を切ってからペンチで引っ張って・・・。とてもたいへんです。

ツノダ ケーブルカッター ca-38

ヒューズ

わたしはどちらかというとヒューズよりもブレーカーが好きなのですが、大電流になるとブレーカーは価格がとんでもないので38sqと22sqケーブルにはヒューズを使いました。アマゾンで売っている大電流対応のヒューズは怪しい中華ブランドばかりなのでこれも楽天で購入しました。

150W anlヒューズ

機材、道具の購入先

以前はほとんどの工具や配線パーツをMonotaROから購入していたのですが、久しぶりに覗いてみると楽天が思いの外品揃えが豊富なことを発見。また、お買い物マラソンなどを利用するとMonotaROより遙かに安い。ショップによってはMonotaROと比べて発送までに時間がかかる場合もありますが、ポイントを含めると価格が2割、3割違っており、今回は楽天からの購入が一気に増えました。

使い勝手など

大電流の利用が簡単になりました。また、電力があとどれくらい残っており、再び満タンにするのにこれくらいかかる、というのがはっきり分かるようになりました。大きな電力が必要な電化製品も使えるようになり、たいへん便利になりました。

これについては、電子レンジ、スポットクーラー導入に関する記事を近く公開予定です。

以上、読んで下さりありがとうございます。

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