
Overview: The most popular steam locomotive for photographers in Japan is STEAM LOCOMOTIVE YAMAGUCHI which runs Yamaguchi line. In this article, I introduce standard shooting spots of STEAM LOCOMOTIVE YAMAGUCHI.
目次
定番撮影地をご紹介します
以前は関東でしかお目にかかれなかったD51蒸気機関車が山口線にお目見えするということでこれを撮影するためここしばらく山口線に通っています。SLの運行本数は大井川鐡道ですが、煙を求めるなら山口線が一番です。
大井川鐵道は黒い煙が上がることは少ないですが、山口線は各所で爆煙にお目にかかれます。また、列車を待っていると遠くから聞こえてくる重厚な汽笛の音もたまりません。
煙が出るのは上り坂と駅の発車時ですので場所が限定されます。従って、煙が出て、かつ景色の良い場所はいずれも常時混み合っています。
私はいわゆる定番の場所以外はほとんど知りませんので、今回ご紹介するのはそういった場所ばかりです。
今回は、遠方から来られる皆様の役に立つよう、各撮影地の混み具合と駐車スペースも考慮した収容人数についても目安を記載しました。
混み具合は、下記の3通り。なお、これは桜や重連などのない、通常運行の場合です。また、追っかけてくる人たちはこのカウントには入っていません。
1 空いている ほとんど人がいない~一桁
2 並 10人~30人程度
3 混む それ以上
収容人数は、下記の3通り
1 少ない 数人程度
2 並 10人~30人程度
3 多い それ以上
従って、混み具合が収容人数と同じか下回っていればよいのですが、そうでないと早めに行かないと撮影できない可能性があります。今回ご紹介した撮影地の中では、白井の里防災公園、篠直、本門前踏切は特に競争率が高いです。どれも上り(新山口方面行き)の爆煙スポットですね。
下記の記事に撮影地の追加情報を記載しています。
2022年3月20日追記
時刻表2022年4月号のデータに基づいて作成したダイヤグラムを下記の記事に掲載しましたのでご利用ください。
(1)宮野-仁保間(大山路)
混み具合 2 並
収容人数 2 並
方向 下り(津和野方面行き)
始発駅である新山口に近い有名撮影地です。ここから仁保~篠目と続く上り坂を盛大に煙を吐きながら登ってくる様子が撮影できます。

地図
2018/05/21追記
先日ここへ行ってきたのですが、撮影地の近くにあるNFデバイステクノロジー社が駐車場を提供くださっており、ここに停めて撮影しました。
ただし、開設日などはとくに決められていないようなので、必ず停められるわけではないと思われます。
NFデバイステクノロジー社地図 グーグル・マップ
(2)宮野-仁保間(仁保路第一踏切)
混み具合 2 並
収容人数 2 並
方向 下り(津和野方面行き)
仁保峠バス停の近く。こちらも大山路同様、S字カーブをゆるゆる登ってくる機関車を前面から捉えることができます。

地図
(3)仁保-篠目間(二反田)
混み具合 1 空いている
収容人数 1 少ない
方向 下り(津和野方面行き)
集落を抜けて人里離れた中へ入っていきます。離合困難な細道を進んで行くと、ちょっとした広場があって自動車が7~8台停められます。ここから山道を登ると撮影地へ出ます。
ここからでは追っかけはできないので来訪者は少ないですが、駐車場の制約から収容人数も限られます。
下記の写真はトンネル上方からの俯瞰撮影ですが、さらにこの上にも撮影場所があるらしいです。わたしは体力的に無理なので行ったことがありませんが、ここへ来られる方の多くがそちらへ行かれるようです。

地図
行き止まりとなる駐車場所はこちら。

この駐車場の地図はこちら
撮影地へは、下記写真右手に見える山道を登りきって右へ。

トンネル手前から右に上がる山道を登ります。

トンネル上部から俯瞰できる位置にたどり着きます。撮影地からの眺めはこのとおり。駐車場所から撮影場所まではおおよそ15分というところ。

ちなみに、このとき車で通ったルートはグーグルのタイムラインによるとこんな感じです。最後の方は道が狭くて対向車が来たらどうしよう、とドキドキしますがやまぐち号を撮影しに来る人しか通らないようで対向車には出会いませんでした。(周囲には人も住んでいません)
ルートの先端、右上の丸印が駐車場所の位置で、撮影地は更に地図上の右側(東側)です。

(4)仁保-篠目間(田代の直線)
混み具合 1 空いている
収容人数 1 少ない
方向 下り(津和野方面行き)
ここも前項同様、追っかけはできませんので人は少ないです。
仁保病院跡(グーグル・マップ)は現在産廃処理作業に使われており、関係車両が多数停まっていますのでその手前の駐車帯などに停めるのが良いと思います。
トンネル手前から撮ったのがこちら。

トンネルの上から撮ったのがこちら。

地図
撮影地までのルート
おおよそ下記のとおりです。
仁保病院跡を左手に見ながら坂を登ります(グーグル・マップ)

Googleストリートビュー
この先で路が左右に別れますので、右側へ。(グーグル・マップ)

山道を登ります

ちょっとした広っぱに出て、その先にある橋を渡ります。
橋の位置が写真では分かりづらいですが、画面の中央やや上に、パイプで組まれた橋が見えます。

橋の向こうはいつもぬかるんでいるので注意。

右側に川を見ながら更に歩きます。

ここを登りきって右へ。(グーグル・マップ)

トンネルの手前、左手に伸びる山道を上がってトンネルの上へ

ここが撮影地です。車を停めてから30分くらいかかります。(グーグル・マップ)

ここは数人で一杯ですが、トンネルの手前(本項一枚目の作例)やここより更に上にも撮影地があります。(更に上は行ったことがありませんので行き方もわかりません)
こちらのルートの草取りや橋の設置などはSL応援団の皆様で実施いただいているとのことです。感謝。
ちなみに、上記の二反田、田代とその間にある大引越の位置関係は下図のとおりです。(大引越は2006年以降行っておらず現在の状況がわからないので本記事には記載していません)
いずれの撮影地もメインの道路から遠く、駐車位置から撮影場所までの距離もあるため、まずはこれら以外の行きやすい場所から回るのが良いと思います。

2018/06/24追記
このあと大引越にも行って撮影をしてきました。行き方については下記の記事をご参照ください。
(5)仁保-篠目間(篠直)
混み具合 2 並
収容人数 1 少ない
方向 上り(新山口方面行き)
上りの新山口行きでは最後となる撮影地です。ガードレールのない細い道を入っていきますので、運転に自信の無い方にはおすすめできません。撮影地の手前と奥に駐車スペースがありますが、10台も停まれないと思います。(奥の駐車スペースの存在には今回の訪問の帰り際に気づいたので広さをきちんと把握できていませんが)
2020/03/08追記
手前の駐車スペースの状況
画像は南向きで、進行方向左手奥に駐車スペースがあるのがわかります。
撮影地から篠目駅方面を向いた下記ストリートビューの通り、7年前にはなかった立入禁止ロープが張られたため作例のような真正面を捉える撮影は難しくなりました。無理せず撮影できる収容人数はせいぜい5~6人程度でしょうか。
上りでは人気の爆煙ポイントです。

いつ行っても必ず爆煙、と思っていたのですが先日のD51はスカスカでした。

地図
(6)篠目駅
混み具合 3 混む
収容人数 3 多い
方向 上り(新山口方面行き)
ここは出発時の爆煙が期待できるとともに、駐車スペースがたくさんあるので上りを追っかけてくる人たちが最後に集まる場所となっています。出発時の煙を狙うので、駅の南側が混み合います。SLの発車直前には非常に込み合いますが、追っかけの人たちより早く来れば場所取りは全く問題はありません。

地図
(7)長門峡駅
混み具合 2 並
収容人数 2 並
方向 下り(津和野方面行き)
駅北側の踏切付近から発車する際の爆煙が撮影できます。
また、長門峡駅の桜を絡めての撮影も可能。桜の時期は混み合います。
下記作例撮影時(2018年3月31日)は、まだ七部咲きでした。

地図
(8)長門峡
混み具合 3 混む
収容人数 3 多い
方向 下り(津和野方面行き)
やまぐち号の撮影地では一番有名です。駐車スペースも撮影スペースも広く、国道9号線からすぐなので手軽に撮影が可能です。追っかけの人たちで通過直前には非常に混み合いますが、早めに来れば問題ありません。道の駅からも至近。ただし、撮影地は地主の方のご厚意で撮影が許可されていますので立入禁止区域にはくれぐれも入らないようにしましょう。

地図
コーンの内側は立入禁止です。

(9)長門峡-渡川間
混み具合 1 空いている
収容人数 2 並
方向 上り(新山口方面行き)
9号線が山口線をまたぐポイント。煙はあまり出ませんが、近くに大きめの駐車帯があるので手軽に撮影が可能。ただし、9号線は歩道がないので自動車に注意。
下記作例は、2018年4月1日に、DD51が代走したときのものです。

地図
(10)名草-地福間
混み具合 1 空いている
収容人数 1 少ない
方向 上り(新山口方面行き)
ここも煙はほとんど出ませんが、きれいなS字カーブを走るSLを撮影することができます。追っかけのルートからはそれているのでたいてい空いています。
県道311号線の駐車帯に車を停め、脇道に徒歩で上がります。作例のように、架線が気になりますが、

フォトショップで消せないこともありません。(ちなみに、下記は上とは別の写真です。)

地図
(11)鍋倉-徳佐間
混み具合 1 空いている
収容人数 2 並
方向 上り(新山口方面行き)
少し動けば下りでも撮れますが、せっかくの下りSLをここで撮るのはもったいないと思います。
田園地帯を走るSLを撮ることができます。ここで撮影している人は殆ど見かけません。(わたしもこのとき初めて撮ったのですが)

地図
(12)徳佐駅北
混み具合 2 並
収容人数 2 並
方向 下り(津和野方面行き)
徳佐駅を発車する列車を撮ることができます。駅まで距離があるので200ミリ~300ミリくらいの望遠ズームが欲しいです。
桜の時期には桜との絡みも撮影可能。
ほぼ水平に列車を見る形になり、足回りが隠れがちになりますが脚立に乗ると若干改善されます。ま、気休め程度ですのでそのためにわざわざ脚立を持っていくほどではありません。
駅発車直後を200ミリ前後で撮り…

近づいてきたらレンズを広角側いっぱいにズームして70ミリで撮りました。

地図
(13)徳佐S字カーブ
混み具合 3 混む
収容人数 3 多い
方向 下り(津和野方面行き)
ここもたくさんの方が撮影されていますが、収容人数も多いのである程度早めに来ておけば良い場所で撮れます。
前項の徳佐駅発車から目の前を抜けていった列車はすぐに本項のポイントに到達します。
盛大に煙を吐きながらSカーブを抜けて…

カーブしながら左側に駆け抜けていきます。

ちなみに、今回D51も撮影しているのですが、この通りスカスカでした。

地図
(14)白井の里防災公園
混み具合 3 混む
収容人数 2 並
方向 上り(新山口方面行き)
篠直、本門前踏切と並ぶ上りの爆煙ポイントです。防災公園は広く、大勢が撮影可能ですが駐車場は20台程度しか停まれないので下りを見送ったら早めに移動しましょう。(道路への駐車は厳禁です)

地図
(15)旧道俯瞰
混み具合 2 並
収容人数 2 並
方向 上り(新山口方面行き)
ここはストリートビューで見つけたのですが、行ってみたら結構な人気撮影地でした。もはややまぐち号には未開拓の撮影地は存在しない模様です。
電線が入りますが、下記のように爆煙ポイントである本門前踏切を俯瞰で撮ることができます。

そして、踏切を抜けて直線を走るSLをもう一度撮影

下記のスマホの写真で分かる通り、撮影地は横と下から木が張り出してきていますので、きれいに撮れる位置は限られています。

津和野市街を南に抜けて細道に入ると到達します。
撮影後は、この道をそのまま抜けると国道9号線に出ることができます。
地図
(16)船平山-津和野間(本門前踏切)
混み具合 3 混む
収容人数 2 並
方向 上り(新山口方面行き)
白井の里防災公園、篠直と並ぶ上りの爆煙ポイント。人気撮影地なので競争が激しいです。道路沿いが一等地なのですが脚立があればその後ろの広場からの撮影が可能。駐車場は地元の方が提供くださっているので問題ありません。感謝。

地図
津和野市街から行く場合、踏切を渡った左側に駐車スペースが設けられています。
(17)船平山-津和野間
混み具合 1 空いている
収容人数 2 並
方向 両方OK
ここは撮影地としては認知されていないかもしれませんが、桜とSLを絡めて撮影することができます。桜がないとちょっと厳しいかな。
ちなみに、下記は代走のDD51です。このときしか行っていないのでSLが走っているところは撮れていません。

地図
近くに駐車帯がありますので、迷惑にならずに駐車可能です。
(18)船平山-津和野間
混み具合 2 並
収容人数 2 並
方向 上り(新山口方面行き)
津和野市街に架かる鉄橋を対岸の河原から撮影します。たぶん普段は空いていると思うのですが、桜の時期は早めに行かないと良い場所が取れません。河原に来る人向けの駐車スペースは30台分くらいあります。

地図
ちなみに、これを反対側から見ると…

これは橋の歩道から撮れるので、普段から観光客の人たちがたくさん撮影しています。こちらの撮影は2011年なので、鉄橋の色が違いますね。
こちらの地図 グーグル・マップ
以上、定番撮影地をご紹介いたしました。
2011年に定番撮影地を走るC57を一通り撮影して終わりにしていたのですが、今回D51でもう一度定番撮影地を押さえ直してみました。気のせいかもしれませんが、C57に比べるとD51はスカスカが多いような気がします。篠直はC57のときに何回か行きましたが、スカスカは一回もありませんでしたので、今回D51でスカスカだったのにはがっかり・びっくりしました。
定番撮影地はだいたい押さえ直すことができたので、あと一回くらいでD51狙いの山口線訪問はおしまいにしたいと思っています。
読んでくださりありがとうございます。
こちらの記事もどうぞ
初めまして鳥居と申します。定年退職したので出来なかった汽車の撮影旅行へいけそうです。山口線の状況よくわかりました。大変ありがとうございます。再来週から人吉の後山口へ行きますがc57帰ってくるとかで試運転の情報があれば、ご連絡下さい。ぶしつけで申し訳ございません。できれば情報交換などお願いします。
鳥居様、コメントありがとうございます。
こちらこそここしばらく山口線にはご無沙汰しておりますので撮影地の状況など、記事と異なることがあれば教えていただけるとありがたいです。
当方もなにか情報があればこのコメント欄、もしくは記事へ追記させていただきます。
また、下記ツイッターからメッセージを下さっても結構です。(閑散としたアカウントですが…)
たかはしじゅん@ahz4ScvO5IE4v4x
こんばんは!
次男が鉄道に興味を持ち東京からこの週末、山口宇部空港へ降り立ち、レンタカーを駆使しまずは津和野まで追っかけ、津和野にクルマを置いて上り乗車。新山口泊し2日目は下りに乗車し津和野からまた追っかけました。
こちらのサイト、参考にさせていただきとても効率よく、撮り鉄、乗り鉄を堪能!ありがとうございました。
ちなみに、保路第ニ踏切、徳佐のS字、白井の里で撮影してきました。
吉澤様
コメントありがとうございます。当方も励みになります。
ご子息が素晴らしいご旅行を楽しまれたようで何よりです。各地でSLが走っていますが、やはりやまぐち号の爆炎は最高ですね。
補機を使わずに急勾配を登っていく迫力も素晴らしい。
2019年11月3日に大山路の踏切に行きました。NFデバイステクノロジー社の駐車場は開放されていましたが有料になっていました。管理人は不在で料金は一律500円、小銭がない場合は次回来た時にまとめて払うのも可となっています。
重岡宗太郎さん
情報ありがとうございます。外出していたために返信が遅くなってすみません。
大山路付近は沢山の人が撮影できるのですが、車を停める場所がほとんどないためNFデバイステクノロジーの駐車場提供は助かりますね。これからも続けていただきたいものです。
素晴ら写真を拝見しました。先週参考にさせて頂き追っかけ撮影してきました。なかなか、満足いく撮影ができませんでしたが迫力あるSLを脳裏に焼き付けてくることができました。
ありがとうございました。
赤木様
コメント&ご愛読ありがとうございます。
今年は山口線に出掛けて撮影がてら撮影地の状況を確認しようと思っていたのですが、つい億劫になっていまだ行けておらず申し訳ありません。DD51撮り損ねたなあ・・・。
来春に行けたら、と(今は)考えています。
【御礼】
はじめまして
11月20日(土)〜21日(日)と33年ぶりにSLやまぐち号を乗りに&撮りに行きました。
電車移動&スマホ撮りでして、本格派の撮影地ではなくお手軽なスポットを探しておりました。
貴サイトは本格派からお手軽まで網羅、3段階評価。とてもイメージしやすかったです。
貴サイトのおかげで「篠目駅しかない」と判断、土曜の篠目駅16:08着。すでに6人いましたが何の問題もありません。ご説明いただいている通り、車での追っかけ組がその後ばらばらと延べ8人到着。
16:38着のSLをスマホ動画で。とても満足しております!
日曜は新山口駅からSL乗車、仁保駅での6分間停車では、ホーム端からも跨線橋からも立ちのぼる黒煙を撮れました。
地福駅での14分間停車で充分に接写、SLを降りて行き違いの反対電車に乗り込み山口を離れました。
本当に参考になりました。
御礼申し上げます。
のだ 様
ご丁寧なコメントありがとうございます。拙文をお役立てくださり、非常に励みになります。
昨年、本年と現地再確認ができておらず申し訳ありません。
のだ様のコメントを拝見して、わたしも列車待ちでSLの汽笛が聞こえてきたときのあのたまらない興奮を思いだしてしまいました。
来年は現地確認を兼ねて出掛けてみようと思います。